スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リアル「夢のクロースアップ劇場」再び (Part 2)

(→リアル「夢のクロースアップ劇場」再び(Part1)からの続きです)

oosakamorning.jpg
ホテルから朝の梅田方面を。

 大阪の街を堪能してからの朝です。頭の中が興奮状態でまったく眠くならず、仕方なく明け方近くまで読書をしておりました。遅く寝ても、だいたいいつもの時間に起きてしまう哀しさよ…。どれくらい眠かったか?、というとこれくらい眠かったです。

sleepyyuki.jpg
眠くても朝からがっつり!

 ホテルの朝食が面白くてですね。朝食の会場がベトナム料理のレストランなので、ベトナム料理がメニューの一部に入っているんですね。思わずフォーチェーを注文。
 早朝からレストラン中にパクチー(コリアンダー)の香りが充満してて、パクチーが苦手な方にはある種の拷問だったかもしれません。



 あまりの眠たさにチェックアウト間際までゆっくりホテルで過ごし、同行して頂いた広島の畏友、鍛治中政男さんと今日の目的地、その1へ。

 阪急百貨店うめだ本店11階、テンヨーマジックコーナーです。鍛治中さんがどうしてもこちらのディーラー、冨吉宏さんに逢わせたいということで、ワクワクしながらお邪魔しました。

 元々関西にいらっしゃって、今は羽田空港にある博品館でディーラーをされている清水一正さんのもとでアルバイトから正式なディーラーになられたとのこと。ならば、なるほどです。

 一般のお客様にはちゃんと解説書通りの実演で楽しませ、奇術愛好家の方にはちょっとひねりを加えた実演で楽しませる。接客はもちろん素敵で、サービス精神に溢れた方でした。まさに、清水さんのスピリットを継承されていると思います。
 これは同じく清水さんのもとでアルバイトからそのキャリアを始められた名古屋のディーラー、西川仁大さんにも通じる事ですね。

 今回凄かったのが新製品「ゴッドハンド」の冨さんの方法。これはやってみたいと思いました。

 ここ阪急百貨店の売り場にはこの売り場限定の商品があって、それがかなり良い出来で早いうちに買っておかないと。

 デモも商品も気になる方は、すぐに売り場へGo!



 さあ、ランチタイム。鍛治中さんおススメの野の宴 阪急ターミナルビル店へ。

 流石に日曜日のお昼と言う事もあって、梅田にあるレストランの多くは人でごった返していたのですが、ちょっと外れにあるお店なので、少し混んでいるとはいえ、非常に快適。穴場のお店だ、と鍛治中さんが言われるのも納得。
 ランチビュッフェで、2000円以下で、和食とお野菜中心でヘルシー、料理の種類も豊富ときたら、これはお値打ちと言う以外ありません。時間も90分あるのでゆっくり過ごすことができます。

viewfromnonoutage.jpg
また風景が素敵!

 で、ここまできたら食べとくしかないでしょう!

lunchtime01.jpg
どーん!

 お料理、すべて美味しかったです。鶏の醤油焼きというのが野趣豊かで特に良かった。カレーは美味しいけど、ちょっと甘口。

 そうなると、こちらもっ!

lunchtime02.jpg
スイーツは別腹っ!!

 私はかぼちゃプリンが一番お気に入りでした。あと、白玉の下に隠れた小倉あんも良かったなぁ。

 鍛治中さんといろんなお話をじっくりしながら美味しい食事をして、ゆったり素敵な時間を幸せ気分で過ごしたら、あぁ、お昼寝したいなぁ、もう名古屋に帰っても良いかな?なんて思ったら…

 「Yukiさん、今から本番のクロースアップショウですよっ!」

 と鍛治中さんから鋭いツッコミが! そうでした、そうです、このために大阪へ来たのです!! 

 では、いざIBM大阪リングと大阪奇術愛好会のクロースアップショウ『Our Last Again』へ!!



 このレストランのすぐ隣が会場。

partyroom.jpg

 会場へ到着したら、もう多くのお客様が。全員で50~60名くらいでしょうか? 会場はホテルのパーティールームなので、大変広くて豪華。

 出演者も観客も誰もが知っている研究家、演技者の皆さまばかりで本当に豪華です。客席にはクリエイターの谷英樹さん、根尾昌志さん、三田皓司さん、フラリッシュの名手Arsさん、益田克也さんの顔が! 久しぶりに皆様にご挨拶。

 さらに会場には、皆様ご存知の著述家で奇術研究家の松田道弘先生ご夫妻もいらっしゃいました。

 受付を済ますと、入口の真横に、京都のプロマジシャンで畏友のYuji村上さんと、これまた畏友のFields Magic Entertainment社の川島友希さんがディーラーブースを出店されていました。
 久しぶりに二人に出会い、世間話をちらほら。そして「どう、売れてる??」と聞くと、見事なユニゾンで

「いいえ、まったく!」

 …なんて、潔いんだ!!



 久しぶりに石田隆信さんにお逢いしました。メールでちょこちょこお話しさせて頂いているのですが、やはり実際にお話しさせて頂けるとあれもこれもといろんなトピックスが出てきます。
 先日フレンチドロップさんで発表された石田さんの最新論文は要チェックかと思われます!!



 本当に久しぶりに佐藤総さんにもお逢いしました。ご多忙そうなご様子で、大阪にお邪魔することは伝えなかったのですが、ちょうど繁忙期がちょっとずつ去ったあたりだそうで、ダメもとでお声を掛けさせて頂いておけばよかった!と後悔。でもお元気そうでなによりでした。前回のショウでは出演者でいらっしゃったので、今回はかなりリラックスされていらっしゃいました。

 短い時間でしたがいろいろお話をさせて頂き、近日中に美味しいお酒を呑みましょうね!ということに。楽しみがまた増えました!!



 さあ、ショウが始まります。が、一つこれだけは声を大にして言いたい。

 シ ョ ウ の 前 に 携 帯 の 電 源 を 切 る か 、 マ ナ ー モ ー ド に し な い 人 は 滅 び て し ま う と 良 い よ 。
しかも、前で演技していらっしゃる方がいるのに堂々と携帯をチェックしてるしねぇ…。



 司会進行は、いつも通り福岡康年先生。軽妙なお喋りで凄く楽しいのです。安心してショウを楽しむことが出来ました。

 トップバッターは、岡山の林王子さん。

 22歳になられ、以前演技を拝見させて頂いた時よりもさらにこなれた演技でした。身体も演技もバツグンの安定感です。素敵なスポンジボールと、本当に不思議な「ガマ口の中へ飛行するカード」の演技でした。



 続きまして、川島友希さん。川島さんと知り合って、もうかれこれ15年近くになります。本当に腰の低いナイスガイなのです。石田降信さんから薫陶を受けている通り、文献を読み込む本格的な研究家でもあり、マジックも非常に上手いのですが、一般に演技することは非常に稀です。この会に行こうと決めた理由の一つでした。

 「今日は何を演じるの?」と聞いたらば、いつものように

「いやぁ、Yukiさん。そんなね、僕ね、何にもできないんですよぅ~。だからね、本当にね、ちょっとだけ、本当にちょっとだけさせてもらうだけなんですよぅ~!」
 
 と、恐縮しながら仰るではありませんか!

 演技が始まりました。堂々としながらも非常に物腰の柔らかい雰囲気でフラリッシュ的な4枚のエースの取り出しから、それを使ったカード当て、ホフジンサープロブレム、カードの交換現象、そして最後は「想像上の見えない糸」を使った見応え十分なカード当て。すべて見事でした!!
 特に、フラリッシュの使い方が絶妙なんですね。マジックとのバランスが物凄く良くて、これだ、これなんだよ!と嬉しくなってしまいました。そして、見えない糸を使ったカード当ては、彼のシグネチャピースになると思います。難易度の高い仕事を顔色一つ変えずに楽々と演じる川島さんは本当に凄かった!

 見事な演技が終わった後、それでも「Yukiさん、どうでしたか?失敗してしまったんでねぇ…いやぁ…」とイジイジ仰るので、つい「お父さんは友希を人をだます様な人に育てた覚えはありません!」と答えてしまいました!
 ちゃんと拝見していて、何が失敗なのか、まったく分かりませんでした!



 続きまして、ご存知赤松洋一先生。空の瓶の中に観客に指定させた色のサイコロをあり得ない状態で見事に貫通させるマジックや、サイコロが1つ通るだけの紙製の筒から次々にサイコロを取り出すマジック(サイコロを取り出す前には筒にペンを通して、中には何もない事を示すのです!)、あり得ないサイコロの飛行と、まぁ、とんでもなくヴィジュアルで不思議なマジックを立て続けに。客席から溜息が洩れました。



 続きまして、前田隆夫さん。ちょっと緊張の面持ちでしたが、ブランクデックが印刷される現象から、手渡し可能の不可能な味のライジング・カード、そしてJustin FlomさんのCard Artistryという素敵なカード当ての改案を。あぁ、確かにこう見せるのが正解だなぁと思いました。前野さんの方法でモナリザが鮮やかに描かれる様子はまさに眼福でした。



 続きまして、金沢の山崎“CULL”真孝さん。凄く鮮やかな繰り返し行う復活する写真の手順と封筒を使ったカード・アクロス(飛行するカード)を。所々に山崎先生好みの捻りが入って、大変面白い演技でした。



 前半最後は、ご存知福岡康年先生。ドゴン族の魔法と予言のマジックを。このマジックのタイトルを見ただけでもうお分かりかと思いますが、福岡節炸裂の福岡先生ワールドです。現象もこうとしか書きようがありません。誰にもあの味は出すことが出来ないでしょう。抱腹絶倒の10分間でした!



 ここで前半戦終了。すると、福岡先生からいろいろなアナウンスがありました。これがすべて衝撃的。

svengalianddvd.jpg

 一つ目は、34年ぶりにIBM大阪リング/大阪奇術研究会の機関誌『The Svengali 18号』が出版されるというお話し。二つ目は、今日参加した皆さんに、松田道弘先生がご自分の喜寿のお祝いを兼ねて、作品を収録したDVDをプレゼントされる、というお話し。

 これを聞いた皆さんはビックリ!! しばらく場内が騒然としました。



 休憩中はコーヒーとオレンジジュースが出されて、大変素敵でした。鍛治中さんと前半戦の感想をあれこれと話しあったり。



 後半のトップバッターは神戸のMr.Yukiさん。宝塚でマジックバー「Shade」を経営されています。

 以前のエントリーの通り、Mr.Yukiさんのギャンブル・デモンストレーションは本当に凄いのですが、この日はちょっとお休み。そのかわり、松田道弘先生が考案されたカードマジックの中でもYukiさんがお気に入りの5作品を本当に鮮やかに演じられました。クラシックの芳醇な香りとそこに入る絶妙な松田先生の「好み」が、得も言われぬ素敵な効果を生み出します。まさに眼福でした。



 続きまして塩澤善一郎さん。前回のショウでも思いましたが、大変奇妙な味のマジックを飄々と演じられます。今回は、平面の紙を切って行う不可能なメビウスリング。これが本当に不思議なんです。そして、サロンマジックとして大変奇妙な「バランスマシーン」を。
 司会の福岡先生が「本当に奇妙ですなぁ。丁度ね、東京の厚川昌男さんの作品を彷彿とさせます」と仰って、なるほど言い得て妙だ!と納得。



 続きまして、Yuji村上さん。今子供に人気の変形ロボット「爆丸」を使った非常に面白いカード当てと、彼のシグネチャピース「Gionデック」と「えにしのデック」を。
 特に「えにしのデック」は演出がこなれて、非常に良い作品になっていました。これはカップルに演じると本当に受けが良いんですよね…。


 
 続きまして、瀬島順一郎さん。鮮やかな3コイン、2枚のコインの交換現象、ヴァーノンの名作「Fool Houdini」、タマリッツの「印刷されるシルク」、そして水晶に浮かび上がるカードを鮮やかに演じられました。



 続きまして、畑文明さん。クラシックなボール&ベース、コインが貫通するカードなどを鮮やかに演じられました。ボール&ベースが非常に鮮やかで、やっぱりクラシックは良いなぁと思いました。



 続きまして、ご存知宮中桂煥さん。最近は『澤浩の奇術』を発表された素晴らしい研究家であり、バリバリのカードマンです。
 今回も非常に鮮やかな4枚のエースの取り出しから、テクニカルなカードマジックを華麗に演じられました。ベテランの奇術研究家である田中貞光先生に助手をお願いし、「いやぁ、マジシャンはよくカードを隠したがるんですよ」と言いながら、田中先生のポケットから繰り返しカードを取り出すのが非常に面白かったです。



 最後はおなじみ、クリエイターの岸本道明さん。オモチャのミニカーを使った作品、白紙が2回変化する「サンダービル」、岸本さんのシグネチャピース「静物のあるライジングカード(絵に描いたデックで行うライジングカード)」をいつもながら見事に演じられました。


実際の演技はこの動画よりももっと鮮やかに見えました。

 ああ、もうお腹いっぱい。予定時間よりも1時間近く延長してのお開きでした。



 帰りがけ、佐藤総さんに声をかけていただいて、松田道弘先生と少しだけお話しさせて頂きました。
 「こんな素敵なDVDをありがとうございました!」とお話しすると、「わし、もうマジックでけへんから!」と冗談を!!
 「いえいえ、先生! 何をおっしゃられますか!! 前の会で先生が演じられた“カニバルカード”は凄かったではないですか!」と。
 
 松田先生もこの会は凄く楽しまれていたご様子で、終始ニコニコされていたのが大変印象的でした。



 あとで知らされたのですが、この時は佐藤さんが気を使って頂いて松田先生とお話しさせて頂いたと思っていたら、松田先生が「あの翻訳家の方、どなただったかな?」と言って頂いたそうで、もう腰が砕けそうになってしまいました。感謝しかありません。



 帰宅後、まずは『The Svengali18号』をじっくり拝読しました。

svengali.jpg
この松田先生の2パーソンテレパシーは凄い!

 まず驚くのは、この日のショウで演じられた作品が惜しげもなく発表されているのです!! 1つ1つの作品だけで十分に値段以上の価値があります。
 読み物も、赤松洋一先生、塩澤善一郎さん、三田皓司さん、モハメッド福岡先生、松田道弘先生(松田先生の2パーソンテレパシーは素敵です!!)と内容が盛りだくさん。

 特に、冒頭の赤松先生のエッセイが本当に素晴らしいのです。「大人の本気、なめんなよ!」と、びしっ!と言われた気がしました。

 102頁で2000円だったら、もうバーゲンプライスです。
 興味のある方は早めにIBM大阪リングのウェブサイトから申し込むと吉かもしれません。



 そして、松田先生のベストな26作品を集めた非売品のDVD「My version of ...」。

matsudadvd.jpg
松田先生のごあいさつが素敵なのです。

 松田先生の作品には、すべてきめ細かく計算された本当に絶妙なサトルティが含まれていて、それは簡単に解説の中から読み飛ばしてしまえるんですね。つまり、究極の引き算から出来たサトルティだから非常に淡く、脆い。これこそが松田先生一流の粋であり、不思議さなんだと思います。ただ、その淡く脆い素敵さをプリザーブすることは大変難しいのでは?と思っていました。

 今回はMr.Yukiさんという才能によって、26種の素敵な作品が見事にプリザーブされました。これ以上の眼福はありません。中には私も好きな作品がいくつも含まれていて嬉しかったです。
 その作品セレクションの絶妙さ、Yukiさんの演技の見事さ、すべてが素晴らしかったです。このDVDを制作された福岡先生とMr.Yukiさんには頭が上がりません。

 本当は、松田先生の演技をもっと拝見して、お話しを伺いたいですよね。前の会で拝見した「カニバルカード」の素敵さは、先生の演技をご覧になった事のない方には絶対に(ここは大事なので繰り返します。絶対に)理解できないでしょう。



 この会でまず感じたことは、古典の大切さでした。ベテランの皆さまは古典の本気を、ベテランの皆様の祝福を受けた若い世代はベテランの皆さまから受けたエッセンスを存分に披露された会だったように思えます。とにかく、皆さんが本気で遊んでいらっしゃるのですね。子供の想像力に大人の本気を合わせたものは絶対に面白い、私は強く信じています。

 IBM大阪リングや大阪奇術愛好会、神戸奇術研究会では松田先生を中心に「大人の本気の遊び」を何十年前からされている、という事実を突き付けられると、その年月の長さと経験の深さにめまいがしてしまいます。

 そして、次に感じたことは、機関誌『The Svengali』で赤松先生が引用されている相田みつをさんの「生きていて楽しいと思うことのひとつ それは人間が人間と逢って 人間についての話をする時です」という詩です。

 ベテランの皆さまの演技は、本当に自分が好きなものを愛でながら「どうです?これ、面白いでしょ!!」と嬉しそうに見せてくださっていた感じでした。
 これは、前の夜に楽しんだムッシュピエールさんの演技しかり、激論を戦わせたTさんしかり、ひげめがねの潮見さんしかり、そして、今回の旅をコーディネートしていただいた鍛治中さんしかり(今回の旅は鍛治中さんがいらっしゃらなかったら、成立していなかったと思います!)。

 ただ「タネ仕掛け」などの情報をやりとりする関係ではなく、私はやっぱり社会にコミットしている方とお逢いしてお話ししたいです。
 前回の「メンター」の話にも関わるのですが、丁度、ジャーナリストの乙武洋匡さんが「最近、さまざまな分野の勉強をしていて思うのは、「誰に教わるのか」「どの本を読むのか」で、学びの半分以上は決まってしまうのだということ。自分に適した教師や教材を選ぶためにも、ある程度、独学での学びも必要になってくる。いわゆる、学びの“下ごしらえ”」と仰っていて、なるほど納得でした。

 こうした人と人が出逢うことが出来る素晴らしい学びと遊びの場がある、というのは、素直に羨ましいなぁと思いました。
 


 本当に今回の旅も色々な事を学ぶことが出来ました。お逢いした皆様、本当にありがとうございました! 今年はもう少しアクティブに出かけたいな、と思いました。
スポンサーサイト

『Make Believe』

MBposter.jpg

 最近ありがたい事に若手マジシャンのトップランナー、原大樹さんと親しくさせて頂いております。
 その原さんが海外で一躍有名になったきっかけとなったドキュメンタリー映画があります。それが今回お話しする『Make Believe』です。



 マジックに魅了された6人の若者たちが世界中からラスベガスで開催されるティーンマジシャンの世界一を決定するコンテストに集まってきます。プロマジシャンになって、マジックを生業にして生きていきたいという彼らの夢を現実にするために。彼らがマジックにかける情熱、そして少し普通の若者と違う情熱を持ってしまったが故の孤独感、それをコンテスト前、コンテスト本番、コンテスト後と綿密に追っていきます。

 映画を観終わった後、涙が止まりませんでした。



 まず何が心を打つかと言えば、原さんをはじめとする、この6人のコンテスト出場者たちの「情熱」なのです。登場人物の中にアフリカ出身の二人組が登場します。彼らの国は政局が不安定で教育もままならない状況で、マジックを通して生きていく力を得ていくわけです。彼らの例を出すまでもなく、ここに出演している皆さんは、文字通り人生をかけてこのマジックコンテストへ臨むわけです。そして、マジックを通して人生を見つめていきます。
 この若者たちの情熱は、登場人物の女性がいう「マジックで興奮せずにいられるなんて想像できないわ!」というセリフの重さからも分かります。斜に構えて口だけの若者たちとは、その姿勢はまったく違います。そして、そうした若者たちの心意気に応えるコミュニティーがあるということの素晴らしさが分かります。

 あと、登場する原さんのご両親が夢に向かう彼を見守るその言葉の温かさと力強さに心を打たれました。



 勿論良い事だけではありません。そのコンテストの厳しさ、彼らの周りにいる大人たちの思惑も見事に収録されています。
 さらに、夢破れる人もいます。そうした夢の残酷さというものまで収録されているのです。私の好きなライムスターの「Once Again」という曲を思い出さずにはいられませんでした。





 この映画はマジックをテーマにしていますが、マジックを知らない人にも十分面白さは伝わります。それは、ロスアンジェルス・フィルム・フェスティバルの2010年大会でドキュメンタリー部門のグランプリに輝いたことからも分かります。
 是非、マジックを志す若い世代の皆さんに観て頂きたいです。こういう世界があって、頑張ってる人たちがいるんだということを知って頂きたい。それだけで魂に火を点けられると思います。

 奇術愛好家の方にとってもランス・バートンを筆頭にいろいろな一流マジシャンが登場しますし、おまけにマジックが覚えられたりと面白い特典映像が盛りだくさんです。特に、いろいろなマジシャンたちが「マジックとは?」という問いに答える映像は、マジックが好きな方にとっては素晴らしい内容になっています。



 映画の撮影手法などもドキュメンタリーにありがちなウソはなく真摯に撮影されていますし、伝えたい内容も過不足なく、コンテストの優勝者が途中で分かるようにはなっていないのでドキドキしながら観る事ができます。そうした部分でも私は感心しました。



 このDVDが公式ウェブサイトから購入が出来るようになっています。この20ドルはバーゲンプライスです。

 今、海外のレクチャーDVDに日本語字幕を付けるスクリプト・マヌーヴァ社の滝沢敦さんがこのドキュメンタリー映画を上映しようと活動されています。
 日本でこの映画を観る事が出来る日を心待ちにしていようと思います。私も出来る限り滝沢さんのサポートをさせて頂く所存です。



 マジックを愛するすべての方に是非にとおススメしたいと思います。





 追記:原さんも出演される10月31日に開催されるマジック・ショウ「Night of the Mystery」についてはここをクリック

ミュージカル『White★Tights(ホワイト★タイツ)』

 whitetights

 先週はに突発Ustream長い時間お付き合い頂き、ありがとうございました。深夜にも関わらず、30名以上の方に参加していただきました。23時前から配信が始まり、朝6時までマジックを熱く語るというとんでもない配信だったのですが、お楽しみ頂けましたでしょうか? 実はあの後もお昼13時過ぎまで熱い語り(と、とても配信できない話)が続いておりました。

afterustream

 また今月末、10月31日に突発Ustream配信を行います!これも大変濃いメンバーが集結する予定になっております。お楽しみに!! 直前にブログでお知らせします。



 この日、何故いろんな人たちが集まったかと言えば、花田圭介さんが制作に加わっているミュージカル『White★Tights(ホワイト★タイツ)』を皆で鑑賞させていただいたのでした。これが大変良かったのです。



 登場するイケメン男子チーム「Boys and Men」は東海地方では知られたタレントさんたちで、いろいろなローカル番組に出演されています。今年は24時間テレビのタレントキャラバン隊として東海3県をくまなく回っていらっしゃったので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 会場に入ると、まあ、若い女性から子連れのお母さんたちまで、女性ファンの多さに驚きます。会場の2/3は女性ファンで埋まっていました。



 ある県内に名前を轟かせる不良5人組。ある喧嘩に巻き込まれ、それで退学の危機に陥ります。そして、それを回避するために部活動に参加することになるのですが、よりにもよって白タイツを履くバレエ部だったのです…。そこで巻き起こる騒動をコミカルに演じていきます。正しく「青春全開のヤンキー系ダンスコメディ」です!!

 いろいろなドラマの脚本を担当されている早野円さん(美少女戦麗舞パンシャーヌ ~奥様はスーパーヒロイン!~)の脚本が良くできています。笑いあり、涙ありの良い意味で“Well-made”な脚本だと思います。劇中歌と背景に流れる動画も良くできていて、楽しめるんですよ。で、一番の見せどころのダンスもカッコいいのです。バレエも良いんですよね。



 俳優さんとしては主役の不良5人衆が良いのは当然で、「極悪同盟」会長役のレオジャックスさんとプリマドンナに憧れるバレエ部員「かおるちゃん」役の田村侑久さんが非常に光っていました。レオジャックスさんは演技力もさることながら、歌が非常に上手い! 田村さんは泣かす演技をされるんですよ、これが。田村さんは女装もされるのですが、非常に美人さんでビックリします。


 
 舞台を拝見していて一番心を打つのが、出演されている皆さんが力いっぱい演技とダンスをされているのですね。熱気が舞台から伝わってくるのです。少なくとも、お客様を楽しませたいという姿勢がビンビン伝わってくるのですよ。それだけで、ちょっとホロリとしてしまいました。こうした情熱は、生の舞台からしか伝わらないですよね。こうした心意気というものは、マジックの演技でも同じだと思います。

 ちょっとした修正点はありましたが、でも、きっと本公演では修正されていると思います。

 本当にあっと言う間の2時間のショウで、一緒に拝見していたのスクリプト・マヌーヴァ社滝沢敦さんや金沢のプロマジシャン、ヤマギシルイさん、若手筆頭株のマジシャン原大樹さんたちも「これは面白い!」と仰っていました。



 ミュージカルと言うととかく敬遠されがちですが、コメディーですのでどなたでも楽しめると思います。若い世代が汗をかいて頑張る舞台、お時間があれば是非にとおススメします。若い者には、まだまだ負けないぞ!と気合が入った夜でした。

 予告編動画がありますよ。ここからどうぞ!

【公演日】10月6日、20日、27日 / 11月以降は毎週木曜日予定
【時 間】18時開場、19時開演(2時間強)
【会 場】サンシャインスタジオ(サンシャイン栄2階)
【料 金】一般:3000円 高校生以下:2000円
【チケット/問い合わせ】NAGOYA DREAM PROJECT 
Tel:052-251-2098(平日11時から17時)
チケット予約は、メールでも受け付け。info@tanipro.jp

  

   

リアル「夢のクロースアップ劇場」 OUR LAST・Here is one History ~クロースアップ・マジックの集い~

invitation.jpg

 つい先日、金沢のイケメンバーマジシャン、ヤマギシルイ(通称:るいるい)さんから「yukiさん、IBM大阪リングのクロースアップの会、行きませんか?で、ついでにお茶でも飲みながら語りませんか?」とお誘いを受けました。

 IBM大阪リングと言えば、マジック界の重鎮、素晴らしい文筆家であり奇術研究家の松田道弘先生を中心にしたマジックの梁山泊として有名です。これは見逃す手はないと早速このお誘いに載らせていただくことにしました。

 著名な研究家であり演技者でもある、福岡康年先生に参加希望のメールを差し上げた時に「ブログ拝見しています。あなたのことは佐藤くんからも聞いています。『英語でペラペラマジック』も読みました」とお返事を頂き、自宅のPCの前で消え入りそうになるまで小さくなってしまいました!



kintetsu.jpg
さあ出発!

 近鉄電車、実は結構好きでして。新幹線に比べたら1時間長くかかるのですが、ゆったりできますし、その間にゆっくり読書ができます!



お昼前に大阪難波に到着。そのまま梅田へ…。
…え?なにこのお洒落タウンは!!

osakastation.jpg
新しい大阪駅をヨドバシカメラの前から。こんな建物無かった!!

 以前のJR大阪駅が醸し出していた猥雑な雰囲気がまったくなく、大変綺麗に変身していました。そうそう、ゴールデンウィークに大丸梅田店がオープンしたり、その影響で人が多い事。待ち合わせ場所も人で溢れ、人混みが嫌いな私はこの時点ですでに泣きそうになる位な混雑。



 ヤマギシさんと、大阪の大学生であり若手マジシャンの保田純(通称:ジョニー)さんと無事合流して、早めのランチに。大阪と言えばこれでしょう。

okonomiyaki.jpgyakisoba.jpg
ビバ、コナもん!



 お二人ともTwitter上ではよくお話ししていますが、実際にお逢いしたのは初めてな訳で。それでも、まあ話が進む事。

 ヤマギシさんは美大出身で、いろんな才能をお持ちです。で、「ねえ、るいるいさん。そんなにいろんな才能を持っているのに、何故マジックを選んだの?」と質問したら、「だって、…」と返された答えに深く感激して、あ、そりゃ話が合うはずだわと納得した次第。

 ジョニーさんは物静かなナイスガイで、スペイン語を専攻されている大学生でもあります。丁度、大阪の超有名なマジックバー、フレンチドロップに出演され始めました。いくつか見せて頂きましたが、凄い。彼にお逢いする機会があれば、是非「ジョニー・チェンジ」をリクエストしてみてください。



 美味しいお好み焼きと焼きそば、とんぺい焼きを堪能した後、会場近くの喫茶店へ移動。先日るいるいさんから頂いた長い手紙を基に2時間以上濃ゆい話を熱く語り合いました。

 るいるいさんからの手紙の返事を書いていたのですが、A4のフォーマット20頁というあり得ない返事のボリュームになってしまい、こりゃお逢いして直接話した方が良いなぁと。私は基本的に与太話しか出来ませんので、お二人に楽しんで頂いていたなら良いのですが…。

 るいるいさんには、話の途中にいろいろマジックを見せて頂きました。正統派のマジックをさらりと非常に巧くこなされます。彼独自の鋭い考察と賢い解決法には舌を巻きました。

ruichart.jpg
私が感心したるいるいさんの表。レパートリーを表にまとめてらっしゃいます。これを実践しているのはヴァ―ノン、マイク・スキナー、私の先生Jamyくらいしか知りません。



 話している内にアッと言う間に開場時間を過ぎてしまい、慌てて会場へ。

 まあ、会場の濃い事と言ったら。だいたい70名位の方で会場は満員御礼。まず、その客席が凄い。東京からTonおのさかさんがいらっしゃいますし、関西を代表するプロマジシャンの深井洋正さん、凄腕クリエイターの岸本道明さん、益田克也さん、谷英樹さん、世界的に有名な若手コインマンのポン太the Smithさん、旧友Yuji村上さんなどのお歴々がゾロゾロいらっしゃる訳ですよ。

 で、Twitterでいつも遊んでいただいている広島の鍼灸院の院長さんのRuneさんや私がfacebookで知り合った方など、まあ、これだけよくぞ集まったなぁ、という濃ゆい客席なのです。ほぼずっとご挨拶で会場中を巡っていました。



 久々にYuji村上さんに逢って談笑。
 最近彼は面白い試みを京都で始めていらっしゃって、それについては次のエントリーで詳しく。
 
 彼の最新作「えにしのデック(仮)」が近日発売予定ですよ!これは要チェック。
 流行っている「ジェミニ・ツインズ」のバリエーションなのですが、カードの鬼才レナート・グリーンさんの「Stolen Cards」と並ぶ名演出だと私は思います。実際に使いたいですもん、自分なら。



 佐藤総さんに久しぶりにご挨拶。ちょいちょいお話しさせて頂いているのですが、お逢いするのは本当に久しぶり。かなり緊張されていたのでビックリ!疲れ気味と仰っていたのが気がかりでした。



 そして、スクリプト・マヌーヴァ社代表の滝沢敦さんと、日本屈指のフラリッシャーでありクリエイタ―であるArs さんとも初めてご挨拶させていただきました。



 観客が凄けりゃ、出演者もまた凄い。機関誌「スベンガリ」に登場する、時代を彩ったお歴々が続々と登場されるのです。

 司会は福岡先生でした。大変楽しい司会っぷりで、そのおかげでショウ全体がかなり盛り上がったように感じます。



 トップバッターは福岡先生。「いやぁ、タンと咳が止まらないんですわ!」という話の枕からのジョーク的なプロダクションと、素敵な10枚カードの手順を演じられました。10枚カードの手順と言うのは、ほぼクライマックスが無いのですが、福岡先生は上手い事あるマジックを組み合わせ、素敵なマジックにされていました。

 次に登場されたのが、林王子さん。若手有望株のお一人です。大変達者なスポンジボールの手順と、ガマ口の中に通うカードを演じられました。19歳とは思えない迫力と技量で、客席を沸かせていらっしゃいました。

 塩沢善一郎さんは、お名前は知っていたのですが、演技を実際拝見するのは初めてでした。虫の絵が描かれたジャンボカードを使った一致や予言のマジック(予言にも一工夫!)、カブトムシくんを使ったカードあて、そして素敵なバースディブックの手順を飄々とした感じで演じられました。最後に演じられたサロンでの「紙幣拡大機」の手順も凄く素敵でした。

 畑文明さんは「Best of Three Guys」というノートで作品を拝見した事があります。この日は指輪を使った素敵な手順を。非常に鮮やかでした。

 金沢の山崎“Cull”真孝さんは、色違いのカードを使ったアンビシャスカードと薔薇を使った不可能な封筒に通うカードを演じられました。山崎さんの洒脱な演技を拝見するのは2回目だと思うのですが、演技を大変細かい所まで考慮されているのが伝わって、大変好感が持てました。



 もう、ここまでで十分お腹いっぱいなんですが、この後の後半戦はさらに凄かった…。

 後半のトップバッターは、皆様ご存知の松田道弘先生。



 松田先生の文章と作品、本当に大好きなんです。マジックに関する文章に関しては“文化の香り”を感じるのです。勿論、亡き高木重朗先生も素敵な文章をお書きになられたのですが、どちらかと言うとマジックの方に偏っているかなぁ…と感じます。

 私がローティーンの頃から拝読させていただいていた『奇術のたのしみ』『トリック専科』などの読み物から、石田天海賞の本『松田道弘作品集』といった専門書まで先生のお名前だけで即ゲットしてしまうようになりました。

wayofthinking.jpgsignature.jpg
やったよ、サインを頂けたよ!

 つい先日、先生の最新刊『カードマジック The Way of Thinking』(東京堂出版刊、2011年)が出版されました。この本、最近の先生の著作の中でもベストの1冊だと思っています。

 松田先生は「ラストフライトともいうべき気分で」と書かれていますが、とんでもない。偉大なる名人、“プロフェッサー”ダイ・ヴァ―ノンさんの名言“Effect is Everything”を地でいく、新鮮で老練、繊細で大胆な作品が24種類解説されています。先生好みの現象を追求するためには、どんなギミックカードでもサトルティーでも惜しげなく利用されます。

 この本の題名の通り、松田先生の思考の方向性がハッキリと見て取れます。これこそが、本書の肝です。松田先生一流の筆致により、ただの「改案への過程」だけでなく、素敵な読み物としても成立しています。その作品に対して、松田先生が長年蓄えられてきた膨大な知識と好みがいかに加えられているか、そしてそれにどれくらいの年月がかけられてきたことか。想像するだけで溜息がでます。

 「不可能なカード当て」や「カーライルのホーミングカード」に関する先生の考え方は必読だと思います。不可能なカード当ての福岡先生のアイデアは、誰にも教えたくない方法ですね。未読の方には是非にとおススメしたいです。



 この日先生が演じられた作品も、この最新著作の中に収録されている作品でした。私も目を付けて練習を始めたばかりの作品だったのです。まぁ、この作品の不思議なことと言ったら!
 是非、皆様もこの著作をゲットされて、何の作品か見つけ出してみてください。



 次に登場されたのは、FISMの審査員などで知られる瀬島順一郎さん。綺麗なコインマジックやパケットトリック、仕掛けのないデックで行う不思議なブレイン・ウェーブ・デックなどを鮮やかに演じられました。

 この日の目玉のお一人、Mr.Yukiさんが登場されました。Mr.Yukiさんは宝塚でMagic Bar Shadeを経営され、その腕前と凄さは佐藤総さんからずっと伺っていました。一言、本当に素晴らしかったです。Yukiさんの柔らかな物腰としなやかな指先から繰り出される超絶技巧の数々は眼福でした。Yukiさんの演技から滲み出るプロフェッショナリズムには痺れました。
 国内外でギャンブリング・デモをされる方は沢山拝見しましたが、間違いなくベストのお一人だと思います。佐藤さんがべた褒めするはずだよなぁ、とすぐに分かりました。この日、ご挨拶が出来ずに非常に残念でした。

 次回関西に出向く際は、Mr.Yikiさんと「噂の催眠術師」Birdieさんのお店に行こう!と心に決めました。

 そして、赤松洋一先生。言わずと知れたクリエイタ―であり名人です。イギリスの名人、ジョン・ラムジィによる「ジャーに入るコイン」をさらに不思議にしたコインの貫通、サイコロが1つ通る位の紙筒からいくつもサイコロを取り出したり(しかも、サイコロを出す前には必ず筒にボールペンを通して、その中に何もない事を証明されるのです!)、凄く単純化されて不思議な「シリンダー&コインズ」を演じられました。赤松タッチともいうべき、柔らかくて不思議な演技でした。

 凄腕コインマンとして世界的にも有名な六人部慶彦さんは、3枚のコインの隠見と岐阜の名手、沢浩さんの作品「Dollar is a dollar」を華麗に演じられました。六人部さんの軽妙なしゃべりも素晴らしく、客席からは溜息が洩れていました。

 これまたカードの名人、宮中桂煥さん。クラシックなカードマジック「Ladie’s Looking Glass」を見事に演じられました。いつも拝見するたびに惚れ惚れしてしまいます。宮中さんのカードの扱いが美しいのは当たり前で、本当にクールで格好良いんですよね…。宮中さんを拝見すると、体調を崩される前の名手、マイク・スキナー氏を彷彿とさせるなぁ、と気付きました。

 そして、根尾昌志さん。紙マッチがコインに変化して、そこからのマイザーズ・ミラクルとバートラムズ・ベストは素晴らしい美しさであり、凛々しい演技でした。根尾さんの作品をもっと間近に拝見する機会はないものなんでしょうか?なんと10年以上ぶりに公の場で演技をされたそうです。



 トリは今をときめく、佐藤総さん。4枚のエースの出現から始まる演技は素晴らしく、また佐藤さんのキャラクターとも相まって、会場は大いに盛り上がりました。
 やはり、山火事トライアンフはすごい迫力でしたね。初めてご覧になった方は、きっとビックリされたことと思います。



 本当にアッという間の3時間でした。この日のショウは、まさに松田先生の好みを集めた「夢のクロースアップ劇場」がそのまま具現化されていたんだなぁ、と気付いたのは会場を後にするエレベーターの中でした。



 ショウがはねた後、滝沢さん、Arsさん、Yuji村上さん、ジョニーさん、るいるいさんと再びお茶に。2時間半も皆さんとじっくり語り合ってしまいました。刺激的な話が次々に続き、30分くらい話していた感覚しかありません!

 その時、るいるいさんが演じられた「オイル&ウォーター」の手順は素晴らしかったです。おかげで「ジョーキャバのチャンネー」という言葉を覚えてしまいました! 何か知りたい方は、マジックバー「金沢Style」に行くしかない!

jigoro5.jpg
色男六人衆(あ、私が撮影しています!)



 帰りの電車の中で、この日楽しんだ演技の数々を反芻していました。

 ここまで何故詳しい演目を書いたかというと、ご覧の通り、流行りのマジックが一つもないという事です。比較的新しいテーマを扱っていらっしゃる方もいらっしゃいましたが、それでも手順に厚みを感じたのです。これこそ芳醇な香りが漂う、本物のマジックのショウだったのです。これは上記でお話しした松田先生の最新著作にも通じるなぁ、と思いました。

 最近、流行のマジックに私はかなり食傷気味です。インターネットの発達で情報だけは爆発的に増えました。しかし、こうした新しい情報というのは、かなり「薄い」情報が多いように感じます(これは先日参加した“Magic Con 2” でも感じました)。ただ、新しい情報だけを追いかけても、この日出演された皆様に到底追いつく事は不可能です。いたずらに情報量を増やしても、芳醇な演技の香りというものは絶対に出てこないからです。

 そうした情報を自分の中に入れ、消化し、何が必要で何が必要ではないか分別し、さらにそれに自分の経験を加えて練り、初めて確固たる知識になります。「オリジナル」と称された「ただの思いつき」が席巻する新しい情報の中では中々見つける事はできなません。
 
 私が敬愛するアメリカの哲人、ユージン・バーガーさんが唱える「孤独」の必要性というのは、こうした情報を自分の身体と頭にしみ込ませるための時間を作るためなのではないでしょうか?(これについて、スクリプト・マヌーヴァ社から素晴らしいDVDが発売されました。心あるマジシャンは必見です)。時流に乗る事は大変楽です。しかし、それだけでは、確実に大切な何かを見失ってしまうでしょう。

“Keeping to the main road is easy. But people love to be sidetracked” - 老子



 若い世代のマジシャンの方には是非ともこうした会に参加して、勉強してもらえたら良いなぁ、と感じました。何が良いマジックで、何が良くないマジックか、是非その違いを知って頂きたい。YouTubeからは「人の熱」は伝わりませんから。最終的にマジックは「何を演じるか?」ではなく、「誰が演じるか?」なのですから。

 Tonおのさかさんも「こうした会をもっとやってくださいよ!」と仰っていましたので、きっと福岡先生もいろいろお考えいただけることと思います。また、素敵な会が開催される事を心から待っています。



5月20日追記:ごめんなさい!福岡先生と六人部さんのお名前を訂正させて頂きました!Yuji村上さん、Many Thanks!
10月18日追記:ごめんなさい!Mr.Yukiさんのお店、神戸ではなく宝塚にあります。訂正させて頂きました。ご指摘いただきました横山さま、ありがとうございました。

プリマベーラ月一ライブ@サンシャインスタジオ(名古屋)

puri monthly

 Twitter を始めて良かったのは、本当にいろいろな方とつながる事ができる点です。私は料理や好きな音楽くらいしか呟きませんが、毎日面白く刺激的です(誰だ、エロツイートも!とか言ってるの!!)。

 先日ツイッタ―上で、マジシャンであり演出家の花田圭介さんと知り合う機会がありました。これは金沢のマジック廃人イケメン、素敵なバーマジシャンであるヤマギシルイさんがきっかけでした。花田さんのツイート(呟き)は示唆に富んで、非常に面白いやりとりをさせていただいています。(そうそう、ヤマギシさんが出演するCMがカッコいい!こちらからどうぞ!)



 そんな花田さんより「プリマべーラの月一ライブにいらっしゃいませんか?」とお誘い頂きました。
 プリマべーラとは女性によるイリュージョンユニットで、マジック愛好家の方でしたら、ご存じの方がきっと多いと思います。
 私もテレビでは何度も拝見していますし、名古屋ではレギュラーのテレビ番組をお持ちです。最近ではこんなCMにも出演されています。これは見逃す手はないと思いました。



 残念ながら我が妻Cathyは発熱のために欠席となってしまいましたが、私の20年来の恩人であるクニさん、名古屋の若手筆頭株である桂川新平さん、そして桂川さんの生徒さん2人で会場のサンシャインスタジオへ向かいました。



 やはり名古屋ではテレビでお馴染みなので、客席には家族連れが多かったですね。あと、男性ファンも結構いらっしゃいました。席も徐々に埋まっていき、最終的には80名以上の観客で会場は埋まりました。




boys.jpg

 ショウの前座として、イケメングループ「BOYS AND MEN」の歌とダンスのショウがありました。
 彼らも名古屋のテレビ番組から登場したチームです。まぁ、こうもイケメン揃いですと、私のようなブサイク村の出身者は口をポカーンと開けて「凄いなぁ」と言う他はありません。大変元気なショウでした。

 彼らは毎週木曜日にこのサンシャインスタジオで「ストレート・ドライブ」というミュージカルを上演しているそう。「ITイケメンと工場イケメンの対決」というキャッチコピーに目が釘付けになりました!

 イケメン好きな女性(ツイッタ―上にいらっしゃるマジック関係の方の中でも、その存在感が凄いこの方とか)にはおススメでしょう。



 その後、プリマべーラのショウが始まりました。前半は「オリガミボックス」「座浮揚」などのイリュージョンをテンポ良く演じられていきます。
映像をリンクしましたが、これだけは言っておきたい! 彼女たちの魅力や素晴らしさ、映像では絶対に伝わりません。 それに私が拝見した演技は、この映像よりももっと素晴らしく、凄かったです。

 前半で私が感心したのは、「ヒンズーバスケット」でした。

 こうしたイリュージョンって実は大変繊細で、現象にこだわりすぎるとダンスや音楽が雑になるし、ダンスや音楽に合わせすぎてしまうと現象が流れてしまいます。プリマべーラが演じるイリュージョン全体に言えるのですが、現象1つ1つを大事に扱っているのが分かります。これって大変大切だと思うのです。

 「ヒンズーバスケット」について言うと、バスケットの中に人が入る部分、ここは絶対に「バスケットの中に人を入れた」と思わせてはいけないように思います。観客は「あ、バスケットの中に人が隠れたのだな」と確実に思うでしょう。実際にそういう演技をされる方、結構多いように感じます。
 しかし、プリマべーラの皆さんの演技では、バスケットの中に入った人が「忽然と消えた」ように見えるのです。そして「万一、バスケットの中に人が隠れてやしないか?」という観客に対して改めのために剣を刺し、そのあとに空としか思えないバスケットの中から突然手がニュッと出てくるから、さらに驚くと思うのです。

 これ、細かい事かもしれませんが、実は大切な部分だと思います。こうした素敵な演出や仕事が演技のそこここにあって、それだけで嬉しくなってしまいました。
(あと、イリュージョンのデザインが本当に素敵なんですね。「オリガミボックス」は本当に素敵です)



そして次に登場したのが、TOKYO PRIMAVERA 5SUMINA さん、RINAさん、YUZUKI さんでした。

 皆さん大変素敵だったのですが、私が一番だと思ったのがYUZUKIさんでした。

 ご自身のブログにも書かれていますが、古典である「3ボール・トリック」(3つのボールが手から手へ、見えない飛行をするマジック)を彼女は演じられました。これが凄い。

 まず、大前提として、こうした古典を演じるのは大変難しいのです。何故なら演出が無いので、その現象が持つ面白さと不思議さを演者がキチンと伝えなければならない。そして、演者自身に魅力がないと現象が輝かないのです。もちろん、技術的な難しさは何をか況や、です。
 私も好きで15年以上演じ続けてきましたが、演じる度に気付きがあるマジックなのです。
 
 彼女の演技がどれ位素敵だったかと言うと、名古屋の若手コインマン、もっさんのツイートがすべてを言い表しています。

magicmossan71 もっさん
昨日みた3ボールトリックがもう一回見たい!!w


 加えて、彼女が演じた「踊るハンカチ」も大変素敵な演技でした。私は特定の演者の方に感想を直接伝えることは滅多にないのですが(不公平になってしまいますから)、YUZUKIさんにだけは終演後にどれだけ素敵だったか、ついお話ししてしまいまいした。(そういえば、彼女のプロフィールに保育士さんとあって、保育士さんは結構マジックを演じられる方多いよな、と、なんか納得)

 そして、3人で演じたこのイリュージョンも素敵でした。



 さあ、いよいよNAGOYA PRIMAVERAのMAIさん、AKANE さん、KAORI さんの3人が登場しました。

 このエントリーで書かせて頂いたように、このお3方の演技は生で一度拝見したことがありました。明るいMAIさん、ボケ担当(失礼!)のAKANEさん、ちょっと引っ込み思案なKAORIさんという3人の立ち位置もしっかりしていて、安心してトークを聴く事ができました。



 その後でAKANEさんの演技があったのですが、なんと私が舞台へ呼ばれてしまいました。私の指輪が消え、テーブルの上に置いてあった入れ子になった箱の中から出現するというマジックでした。舞台に上がってみて、AKANEさんの舞台へ上がった観客への気遣いが素敵だなぁ、と感じました。これはすべての皆さんに言える事ですね。



 その後も素敵なイリュージョンや歌にダンス、Mini PrimaveraやPrimavera Secondの皆さんによるダンスや歌、マジックが続々と続きました。
 アンコールで演じられた「人体交換」は、大変良かったと思います。後半で一番心に残った演目でした。



 アッと言う間の2時間で、本当に良くできた総合エンターテイメントでした。時間もちょうど良く「あぁ、マジックを堪能したなぁ」という気分になりました。

 実際、皆さんは大変頑張っていらっしゃると思います。歌やダンスは勿論のこと、マジックも練習しなければなりませんし、それにプラスしてタレントとしても自分を磨かなければならない。こうしたプロとしての意気込みが中途半端だったら、こんなに楽しめるショウにはならないと思います。桂川さんとクニさんと、終演後の会場でいろいろ語りあってしまいました。



 今回、このエントリーを書くにあたって、プリマべーラに対するいろいろな意見があることを知りました。しかし、多くが見当はずれであると私は思います。まずは、彼女たちの素敵なショウと演技を実際に見なければ、何も語る事はできないと思います。ライブでの迫力と臨場感を肌で感じたら、圧倒されるはずです。これは、先ほどのもっさんのツイートがこれまたすべてを表しています。

magicmossan71 もっさん
プリマベーラ本気で素晴らしかったです!!!!!!!もう大ファンになりました!!!!!!!!


この内容で3000円なら下手にマジックの道具を買うよりも、絶対にお得でしょう。

 あと、何より嬉しかったのは、彼女たちが楽しんでマジックを演じていらっしゃるように感じたことでした。マジックが好きでなければ、あの明るい感じは絶対に出ないと思います。



 ライブがはねた後、皆で近くのファミレスで語らい、もっさんのコインの妙技に唖然とし、楽しい時間を過ごしたのでした。今回、花田さんとじっくりお話しする時間がなかったのが非常に残念だったのですが、逆に次回の楽しみが増えました。



 とにかく、プリマべーラの皆さんには、もっともっとマジックのファンを増やして、マジックの世界の裾野を広くしていって頂きたいですね。そのためにもこのイベント、定期的に続けて頂きたいなぁ、と思います。たぶん、そのカギは「プリマべーラの皆さんにしかできない、かけることが出来ない魔法」なのではないでしょうか?
 私は皆さんのこれからに期待しています。

 家族でも、カップルでも、一人でも確実に楽しめるイベントです(何と言うか、よくあるマジックのイベントって、友達とかを連れて行きづらい雰囲気でしょ?)。素敵なマジックがお好きな方は、必見だと思います。(ここ、大事なので太字にしておきます!)私はプリマべーラの皆さんを応援します!



 次回以降の月一ライブの予定は、名古屋は5月25日、6月22日、7月、東京は5月14日、6月11日、7月9日となっているそうです。詳しくは、プリマべーラのウェブサイトをチェックしてみてください。

puri_dinner.jpg
 あと、このゴールデンウィークに「ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋」で、ディナーショウがあるそうですよ! 
プロフィール

yuki_the_bookworm  (a.k.a "べたねば")

Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

カテゴリ
最新記事
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
メールフォーム
※本ブログへのご意見・ご感想のみお送りください。マジックに関する個人的なご質問・ご依頼等には一切回答出来ませんのでご了承ください。 また、戴いたすべてのメールに回答出来ませんが、確実に筆者の手に届いております。(管理人)

名前:
メール:
件名:
本文:

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。