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"Having An Old Friend for Dinner..."

“The language of friendship is not words but meanings. ”
ーHenry David Thoreau


 久々に、旧友が私が住む街にふらりと遊びにいらっしゃいました。京都在住のプロマジシャンであり、創刊20年を迎えた奇術専門誌『掌- PALM -』誌の編集長でもあるYuji村上さんです。
 このエントリーでもエピソードを書かせていただいたのですが、村上さんとはかれこれ20年ほど前に知りあって、ここ10年近くは逢う機会がほぼありませんでした。昨年秋に出版された初めてのレクチャーノート『Starting Members』(片山工房刊、2009年)も全国的に好調で、かなり品薄状態になっているそう(関東地方のショップでは、軒並み完売の模様。おや、もしかするとリンク先のマジックショップしかもう在庫が無いの!?)。
 このノートについては、先ほどのエントリーに想い出話と共に詳しく書かせていただきました。内容は抜群に良いので、完売する前に未読の方は読んで損はないでしょう。

 10年ぶりにあった彼は、本当に立派なマジシャン…ラヲタ(ラーメンオタク)に成長していました(もちろん、冗談! 彼はマジシャン、創作家としても凄いのです)。
 旅に出掛けると、予め美味しい食べ物をチェックして、その店に出向くというのが趣味なんだそう。まさか、東京のラーメンに関してこの地でじっくり語り合うことになろうとは…(私が住む地方でも、東京で流行っているラーメンをインスパイアしたお店が、本家の名前を冠して「○○系ラーメン」として紹介されるのですが、そのライターとか番組の構成作家が、どう考えてもその元祖の店の味を知らずに紹介していることが散見されて、非常に微妙な気持ちになることが多々あります)。
 いつか同時期に東京に出向くことがあったら、板橋周辺のラーメン屋さんを巡ろうか!と意見が一致しました。

 もちろん、私と逢う前に彼は『如水』『豚そば ぎんや』といった私が住む街で有名なお店をすでに制覇していました(あ、淡麗系の『如水』、ラーメンがお好きでしたらオススメします。街の中心地より少し離れているのですが、出向く価値は確実にあると思います。もしUGM社へ出掛けるなら、そこから歩いて10分くらいです)



 初日の夜は、我が家へ招待。本当に久しぶりなんですが、一瞬にして時間が戻って、まったく話が尽きません。我が家の飲ん兵衛、Cathyセレクトによる日本酒を酌み交わしながら、お互いの近況からマジックの話まで、今日がまるで「じゃあね」と10年くらい前に解散した次の日のように、あっという間に時間が縮まります。
 村上さんは今、京都の凄腕バーマジシャンである喜多充さんがオーナーのマジックバー『Magic Table』と、去年の秋オープンした『NINJA KYOTO』にレギュラー出演していらっしゃるそうです。
京都に出掛けられた際は、お店に行かれると楽しめると思います。

 お互いの今年やりたい事などを話していると、自分も頑張らないとな、と再確認できました。今度、二人でこの街でこんなことをやってみようか?…なんて話もあったり。企画が固まったら、このブログでお知らせしますね。面白くなりそうなので、請うご期待!

 非常に濃いマジックの話を長いこと話していたのですが、何となくタイミングが合わなくて、一度もデックを取りださなかったのは本当に不思議。次回はセッション決定ということになり、この夜は深夜に解散。



 翌日は、私が住む街を案内することになりました。それなら、この街じゃないと食べられない食べ物もエンジョイしてもらいましょう。まず、この街の朝といったらこれでしょう。

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モーニングです。

 以前このエントリーでも書きましたが、珈琲などのドリンクを注文すると、無料でコンチネンタル・ブレックファーストが付いてくるのです。ここのモーニングは、少し量が少ない部類かなぁ…。
 村上さんのリクエストが「小倉トーストを食べたい!」ということで、今日は『おかげ庵』へ。ここは、この街が誇る喫茶店チェーン『コメダ珈琲店』が経営する甘味処。私は普通のモーニングにしましたが、村上さんはこれ。

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つぶあん付きです。

 バタートーストの上にこのつぶあんを塗って頂くわけです。「なんで小倉トーストってゲテモノ扱いされるんだろうね? だって“あんパン”じゃん、これ。しかも温かくて、バターのコクがマッチして良いよね」と村上さん。まったくその通りであります。この美味しさを知らないというのは、かなり人生を損しているように思います。

 小倉トーストも美味しいのですが、このお店でさらに美味しい甘味があります。

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焼きミックス大福!

 小さな電熱コンロで自分で白大福とよもぎ大福を焼いて頂くのです。なんてこともない大福なんですよ。でも、炙ってちょっと焦げた大福が『ほんま、アホみたいに美味しいんよ!』(カズ・カタヤマさん談) 

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この煙の感じと香ばしい匂いが最高にイカス(死語)!

村上さんもハフハフ言いながら完食。



 さあ、ランチにもちょうど良い時間となりましたので場所移動。悩んだ揚げ句に、味噌カツの名店『矢場とん』へと思ったのですが、村上さんは食べたことがないと聞いたので結局はここへ。
『あつた蓬莱軒 松坂屋店』です。

 ここのお店は「ひつまぶし」(「ひまつぶし」ではありません。この地方以外の方に、たまに本気でこう言われてビックリします)の老舗であります。「ひつまぶし」とは、刻んだ鰻の長焼きを小さなおひつに入れた、鰻ご飯なんですが、食べ方に特徴があるのです。

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どーん!

 どうです、この美味しそうなヴィジュアル。これを3つの食べ方で楽しみます。1杯目は、そのまま。2杯目は、刻み海苔、ワケギ、山葵の薬味を載せて。そして3杯目はこれ。

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うな茶!

 薬味を載せた鰻ご飯の上にお出汁をかけて、鰻のお茶漬けに。結構あっさり味のように見えますが、しっかり鰻、脂、秘伝のタレの美味しさが全面に出て、非常にゴージャスな味わいに。

 3杯とも、味の変化が劇的なので、非常に満足できて楽しめるんですよね。このお店は本当に優等生の味。他にも私の好きな「ひつまぶし」の専門店があるのですが、初めての方には絶対『蓬莱軒』に連れていきます。支店といっても、味が本店と変わらないのは非常に好感が持てます。
 (話は変わりますが、本店にいらっしゃる大女将も名物の1つ。非常に綺麗な名古屋弁を話されます。ちなみに、全国の皆さまに馴染み深いであろう「みゃーみゃー」話すのは、名古屋弁でも田舎の言葉で、今はレアになった本当の名古屋弁というのは、実は京言葉の影響を受けていて上品なのです。以上、豆知識でした)



 さあ、ランチを堪能したところで、ちょっとお茶でも。上の蓬莱軒がある同じデパートの中に入っている『HARBS 松坂屋店』へ。

 『HARBS』は、この地方発祥のアメリカンケーキのお店。洒落た内装と大きなケーキを楽しみに、高校生の頃から通っています。ちょっと背伸びをしたい学生にとっては、定番のデートコースでもあります。
 今では関西と関東に進出していて、初めて東京の六本木に出店したときは、同郷の友人カップルと妻のCathyと連れ立って、うはうは言いながら懐かしいケーキを食べに行った想い出があります。でもね、想い出バイアスがかかっているとしても、本店の味となんかちょっと違うんだなぁ…。
 大事なお客様が来たときは、本店かこの松坂屋店へ出向きます。松坂屋店の良いところはこの眺望。

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 今日は生憎の曇り空なのですが、晴れた日には街の郊外に広がる丘陵地帯の緑が凄く綺麗なんですね。場所も落ち着いているので、何時間でもゆったり過ごせます。

この季節だと本当に美味しくなるので、私は名物ストロベリーケーキを。
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そして、村上さんはストロベリータルトを。
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 両方ともイチゴがゴロゴロ入っている、大変贅沢なケーキなのです。それでは、断面をお楽しみください。

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こりゃ、たまらん!

 村上さんが一口食べて「うわ、うまっ!」と言ったので、オールOKです。
 大変リッチな生クリームと絶妙なフワフワ感のスポンジが絶妙。旬のイチゴも最高で、口の中をさっぱりとさせてくれます。これなんですよ、HARBSのケーキは。結構量が多いので、若いお嬢さんたちは1つのケーキを数人で分けて食べることもあるようです。
 この他にも、フルーツがたっぷりのミルクレープや、バレンタインシーズンに季節限定で出るチョコレートケーキも非常に美味しいのです。あぁ、久しぶりに懐かしい味を堪能。



 お腹も一杯になって、ちょっと腹ごなしに散歩しながら、ここに行ってみようかということに。

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テレビ塔です。

 丁度、東京タワーがリニューアルして、若いカップルが多く来場するようになって、それにあやかったのか、少し前にここもリニューアルして、凄く綺麗になったとは聞いていました。「恋人たちの聖地」という、大変気恥ずかしくなるようなネーミングもされています。私は20年以上ぶりに来場しました。テレビ塔がボロボロだった頃を思い出すと、本当に隔世の感があります。

 エントランスには素敵なお嬢さんたちがいらっしゃって、親切に案内をしてくれます。私たち2人に対して、4人で接客されるので、思わず恐縮してしまいました。昔はこんなにサービスが良くなかったぞ!!

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「恋人たちの聖地」らしく、展望台の入口にはこんなハート型のオブジェが。そうだ、そう言えば、もうすぐバレンタインでしたね。

 こんなラブリーな場所に、アラフォーの男二人で来てしまうとは…orz 展望台もリニューアルされて、本当に綺麗。カップルシートが沢山用意されていて、男2人でいると「お呼びでない?」といった感じで、大変肩身が狭く感じます。
 
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でも、眺めは抜群。

 夕暮れ時だったこともあり、日が沈む間際と夜の風景を楽しむことが出来て、思った以上に良かったです。これで入場料600円だったら、デートにはもってこいでしょう。エントランスにあるレストランも、結構評判が良いらしい…。



 最後はここへ。名古屋へ来たなら、絶対に行きたいと村上さんからのリクエストで『メンバーズ・エルム』。マスターの山内さんに歓待していただきました。
 今日は、マグロの中落ちと頬肉のお刺身が抜群に美味しく、牛スジの入った味噌仕立てのスープに二人でうまい、うまいを連発。他にも一杯おいしいお料理を出していただきました。

 お腹一杯になったところで、山内さんの妙技を楽しませていただきました。山内さんしか出来ないマジックの数々に、村上さんも大喜び。特に『The Magic』誌のVol.77Vol.78に解説された、山内さんのコインマジック『ガラスの動物園』に深く感心していました。
 この手順、実際に山内さんの演技を見て体験しないと、その本当の良さとパワフルさは理解できないかもしれませんね。村上さんも「これ、解説で読んだだけでは絶対に分からないよ」と後で言っていました。しかも、解説させていただいた最新の方法から、さらに進化を遂げていたのには本当にビックリしました。
 また、山内さんの「弾むボールと弾まないボール」の演技では、このエントリーで書いたPaulと同じ反応だったのが非常に面白かったです。

 村上さんはお礼に『Starting Members』を山内さんにプレゼントして、解説された作品をいくつか山内さんに演じていました。
  
 お店が忙しくなりそうな頃合いになり、山内さんにお礼を言いエルムを後にしました。それから場所を変えて、二人でお酒を酌み交わしながら結局この日も深夜までじっくりと語り明かしたのでした。

 たまにはこんな懐かしさと感傷に浸る日があっても、良いですね。今日からの仕事にも気合いが一層入りました…あ、ダイエットにも気合いを入れないと!!



 追記:Yuji村上さんの大阪レクチャーの詳細が決定しました。大好評だった京都レクチャーを見逃した方、村上さんのマジックをご覧になったことのない関西方面の方、必見です!3月7日に無事終了しました。大変面白い会だったそうですよ!
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マジックに関するエッセイあれこれ

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 一般書に掲載されているマジックに関するエッセイは、亡き泡坂妻夫先生も書かれているようにあまり多くないですね。

 日本では、阿部徳蔵氏の『奇術随筆』(人文書房刊、1936年)、石田天海氏の『奇術五十年』(朝日新聞社刊、1961年/増補改訂版はユニコン貿易出版部刊、1975年。1998年に日本芸術センターより朝日新聞社版が再版。特に最後にまとめられた「奇術演技研究メモ」はマジシャンなら必読)、株式会社テンヨーの創始者であり、プロマジシャンだった松旭斎天洋氏の『奇術と私』(株式会社テンヨー刊、1976年)、松田道弘さんの名著『奇術のたのしみ』(筑摩書房刊、1975年)を筆頭とする作品群、高木重朗先生が著された講談社現代新書から出版されていた3部作、日本の名随筆別巻7『奇術』(泡坂妻夫編、作品社刊、1991年。この中に収録された故江國滋先生の「マジック酒場の一夜」は抱腹絶倒の一文です。ちなみに、このエッセイの中に登場する“先生”は、芥川賞や文化勲章も受賞されたあの方ですよね??)。同じく江國先生の素敵な旅行記『あめりか阿呆旅行 わん・つう・すりー』(文藝春秋刊、1983年)、泡坂妻夫先生の『ミステリーでも奇術でも』(文藝春秋刊、1989年)や『トリック交響曲』(時事通信社刊、1981年)くらいのものでしょうか。うわ、調べてみると品切れとか絶版になっている本も多いなぁ…。
1月20日追記:わ、大切な本を忘れてました。『引田天功の大魔術(ワニの豆本シリーズP147)』(引田天功著、KKベストセラーズ刊、1977年)ですよ。初代の引田天功さんが実際に執筆されたのか、どなたかが聞き書きされたのかは定かではありませんが、実際に考えていらっしゃったことが端的に書かれていて、大変面白い読み物です。特に、一世風靡した脱出マジックから催眠術へ何故移行していったか、その過程の話は大変興味深いです。

 アメリカですと伝統ある文芸誌『The New Yorker』に名手リッキー・ジェイ氏と私の先生Jamyに関する素敵なエッセイが掲載されたことがあります。この2本のエッセイ、今オンラインで読むことができます。リッキー氏の文章はここ、Jamyの文章はここで読むことができます。両方とも英文なのですが、大変味のあるエッセイです。

 マジックに関するエッセイが少ない理由は、泡坂先生が上記の著作のあとがきでおっしゃるように「どんな安っぽい仕掛けに騙されているか分からないし、うかつに書いてしまうと見当違いのことを書いてしまいかねない」という書き手側の不安もあるのでしょうが、「タネや仕掛け、ましてやその細かい歴史なんかの専門的な話はよく分からないし、手品の現象を文章で読むより実際に見たいじゃん!」というマジックに関して門外漢である多くのマジシャンではない読み手側の思いもあるような感じもします。

 そうした中でも私が好きなエッセイがいくつかあります。

『象が歩いた('02年度版ベストエッセイ集)』(日本エッセイスト・クラブ編、文藝春秋刊、2002年)
 この中で矢吹清人さんが書かれた「魔法使いの友達」という一編があります。矢吹さんは宇都宮市で医院を開設されているお医者さまで、亡き江國滋先生と俳句だけでなく、マジックも共に学ばれたベテランです。
 これは矢吹さんとニューヨークの素晴らしいマジシャン、ジャスト・アラン氏との奇妙で素敵な出会いをまとめた作品です。大変ユーモラスですし、矢吹さんのレパートリーの中に、大阪の素晴らしいコインマンでいらっしゃる六人部慶彦さんの作品が入っていることで、その腕前も伺い知ることができます…そして、銀座久兵衛のお寿司が非常に食べたくなるというオマケもついてきます!

『マジックグッズ・コレクション』(土屋理義著、東京堂出版刊、2009年)
 昨年惜しまれつつも休刊になってしまった『The Magic』誌(東京堂出版刊)で人気コラムの1つで、私も大好きだった連載「私のマジックグッズ・コレクション」が1冊の本になりました。日本で最古の奇術愛好会であるTAMC(東京アマチュア・マジシャンズ・クラブ)の幹事であり、日本屈指のマジック・コレクターである土屋さんのコレクション紹介なのです(そして、切手のコレクターとしても、世界屈指でいらっしゃいます)。
 そのコレクションのバックグラウンドの話が大変面白い。特に「魔術の女王」として一世風靡した初代の松旭斎天勝さんの話は初めて知りました。この話を知るだけでも価値があります。
 こうしたグッズ紹介は、時として嫌みになりやすい感も否めないのですが、土屋さんの筆致と深い知識によって、大変興味深い読み物になっています。マジックの門外漢にもオススメできる1冊です。

 そして、今私が1番お気に入りのエッセイ集がこれです。

・「ボナ植木のエッセイ集1 中華風マジック料理法」
・「ボナ植木のエッセイ集2 -Jazz Bar-『飲(のん)』の人々」
・「ボナ植木のエッセイ集3 いいマジシャンになれる(かもしれない)50の秘訣 -私生活にも役立つかも-」
(共にボナ植木著、株式会社まぐまぐ刊、2008年、2009年)

 ボナ植木さんは、もちろん言わずと知れたコメディ・マジックの雄“ナポレオンズ”のボナさんです。
 1冊目は日本奇術協会の機関誌『ワン・ツー・スリー』に、2冊はSAM日本支部の機関誌『MUM Japan』に連載されたボナ植木さんのエッセイをまとめ、さらに加筆修正されたもの、そして3冊目は完全書き下ろしです。
 前者の機関誌に掲載されたエッセイは、いつも大変楽しみに読まさせていただいていました。かなり深いマジックの秘密(タネではありません。“秘密”です)を、ボナさん一流の飄々とした文体で軽快に解説されていくのですが、理論と文体が大変マッチしていて大好きだったのです。マジックの理論的な話というのは、とかく難しい文章とか小言好兵衛風な文章になりがちで…私もいつも反省しています。

 このエッセイ集を読んでいると、丁度ボナさんのお好きなジャズを聴いているような気分になるのです。一見さんも気軽に楽しめるだけでなく勉強になり、筋金入りのファンも演奏者や曲の裏に隠された歴史など深いところで楽しめる…なんと理想的ではありませんか!

 3冊ともにその内容はズバリ「マジックの蘊奥」。長年第一線のプロとして大活躍のボナさんしか書くことができない、マジックの奥深さ、そのコツなどが惜しげもなく披露されています。
 実は私もボナさんのエッセイから習慣になったことがあります。マジック用具のセット方法なのですが、これは本当に素晴らしいです。昔から似た方法で用具はセットしていたのですが(亡き名人、ビリー・マッコム氏に伺ったと思います)、ボナさんのお話を読んでさらに完璧になりました。これこそ、長年にわたる実戦の中からしか生まれない示唆です。

 過剰な用具の改めに注意を喚起するときも『追われないかぎり、走り逃げてはいけない』と言われるよりも、スタンダードジャズのナンバーにのせて『♪言い訳しないで』と言われたほうが分かりやすいではないですか! 50の秘訣は、私が若いころにじっくり伺いたかったです。
(ちょっと脱線しますが、この『追われないかぎり、走り逃げてはいけない』という、古きよき時代のアメリカで凄腕マジシャンとして一世風靡したアル・ベーカー氏の言葉に、アメリカの一流メンタリストであり研究家のマックス名人が素敵な付記をされていることをご存知ですか? 
名人は続けてこう言います『かといって、ぼさっと突っ立ってて良い訳ではない!』…中々含蓄のある言葉だと思います) 

 もちろん専門誌に連載されていたり、マジックショップで購入できるエッセイ集ですので、まったくの一般向けではないかもしれません。しかし、マジックに興味がある方、マジックを始められたばかりの方には必読のエッセイだと思いますし、マジックに少しでも興味がある方ならば、誰でも楽しめるエッセイ集です。
 逆にマジックに少し興味のある一般の方に読んでいただきたいです。そうすれば、表層からは伺い知れない、マジックの深さ、凄さが分かっていただけるのではないか、と思います。

 残念なことに最初の2冊は現在品切れだそうです。近日中に再版されるとのことなので、未読の方は是非にとオススメします。各巻1000円はバーゲンプライスです。

 加えて、昨年ボナさんはレクチャーノート『ボナ植木のレクチャーノート・1 ~これで手先と足は震えない!~ 臆病なマジシャンのための秘密ノート』も発表されました。
 マジシャンが必ず使用する、カードマジックにおいて大変重要な技法について詳細に分析、研究されています(写真では未見の方のお楽しみのために、その技法の名前をわざと消してあります)。
 素晴らしく実戦的な内容で、人前で演じられる機会が多い方には、是非お読みいただきたいノートです。第一線で活躍中の、第一級のプロマジシャンが実戦の場から編み出された数々のアイデアは、必ずや皆さんの役に立つと思います。

  残念なことに現在品切れのようなのですが、ボナさんのレクチャーではまだ購入が可能なようです。
 もし、ボナさんのレクチャーを受講される機会があれば、万障繰り合わせて参加されることを心からお勧めします…というか、私が是非とも参加させていただきたいです(数少ないボナさんのレクチャーに参加されたラッキーな方々からの評価、大変高いと小耳に挟みました)。
 なのですでに、私は2月13日に開催されるUGM社主催によるこのレクチャーに申し込みをしてしまいました。1月24日に東京で開催されるゾンビボール(金属製のボールに布を掛けると、ボールが空中浮遊を始める不思議なマジック)のレクチャーも、是非参加してみたい…。ボナさんによるゾンビボールは、日本で数少ない「本当にボールが空中を浮かんでいる」としか思えない演技の1つです。

 ボナさんによるこれら3冊のエッセイ集、昨年国内外で出版された奇術関連書籍の中でも、トップ10に入る内容だと思います。



1月20日追記:ボナさんの東京レクチャーの詳細が分かりましたので、お知らせしておきます。関東地方の方、必見だと思います! 終了しました。(風の噂によると、物凄く良かったそうです。うわ、行きたかった!)
1月26日追記:ボナさんの名古屋レクチャーの詳細もお知らせしておきます。東海地方の方、必見!! 終了しました。凄く良かったこのレクチャーについては、別エントリーにまとめてあります。

The 肉食系

 今週は大変な寒波のために、降雪が大変なことになっている地方の方もいらっしゃるよう。東京も初雪が降ったと友人からメールがきました。皆さまがお住まいのご地域は如何ですか? くれぐれもご自愛くださいね。



 時間をやりくりして、夫婦で足を伸ばして三重県鈴鹿市にある椿大神社(つばきおおかみやしろ。通称は「椿大社」)へ出掛けました。三重県在住の方には、交通安全のご祈祷で有名な神社です。

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ここは本殿。

 鈴鹿山脈の麓にあって、空気の綺麗な森に囲まれた大変風情のある神社です。お社が荘厳なのは、猿田彦大神を祀る神社の総本宮であり、日本最古の神社であることを思えば納得がいきます。

 商売繁盛と芸事にも御利益があるということで、私たち夫婦は毎年年始に参拝します。今日は義母のCindyさんからのお願いもあってやってきました。

 こんな寒い日でも多くの善男善女がこの由緒あるお社へ参拝に訪れていました。日本全国、強い冬型の気圧配置の支配下にあっただけあって、手水舎のお水に薄氷が…。それどころか、手柄杓が完全に凍っていたのです! 手を洗うとき、水の冷たいことと言ったら。皆さん「冷たい、冷たい!」と連呼しながらも手を洗っていたのですが、それを見ていたおっちゃんの集団が「冷たそうだで、手、洗ったことにしとこまい」と、この地方の方言丸だしでさっさと本殿へ。それって、良いのか!?

 本堂にお参りをして、頼まれていたCindyさんの事務所にある神棚にお供えするためのお塩をお買い上げ。その後、あまりの寒さに身体を暖めようと、神社の境内の中にある茶室「鈴松庵」で御薄を頂きました。
 この茶室は、あの松下幸之助氏が寄進された茶室なのです。写真撮影はちょっと憚られたので止めましたが、本当に素敵な茶室なんです。森に囲まれた静かな茶室で暖かな御薄を頂いていると、体中の汚れが浄化される感じがします…あまりに清々しい気分になれるので、煩悩の塊である自分は汚れごと消えて無くなってしまうんじゃね?と思ってしまうほどです。

 椿大神社の名物である、春泉堂さんの「椿草もち」と「椿麩まんじゅう」を買って帰ろうかとも思ったのですが、ランチのことを思って泣く泣く諦めました。ここの草もちと麩まんじゅう、大変美味しいですよ!



 そしてランチタイム。せっかく三重県まで足を伸ばしたし、今年一年のパワーをつけよう!と久しぶりにこのお店へ行ってみることにしました。

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「まつもとの来来憲(らいらいけん)」です。

 皆さんは「とんてき(トンテキ)」という料理をご存知でしょうか? 三重県四日市市に伝わる料理で、B級グルメの王道とも言ってよい料理です。豚の肩ロースのぶ厚い塊をラードとニンニクで焼き、程よいところでウスターソースがベースとなった濃いめのソースで絡めた料理です。ここ「まつもとの来来憲」は「とんてき」の元祖のお店なんです。これぞ「漢のめし!」というビジュアルのインパクトとガツンとくる味は、一度味わうと病みつきになります。
 TV番組「秘密のケンミンSHOW」で未だ取り上げられないのが不思議なくらいです(3年くらい前に東京にも専門店が出来ています)。最近では四日市市の街おこしの起爆剤として、大々的にこの「とんてき」を売り込んでいるようです。

 最近はテレビなどでも紹介される有名店になってしまいました。店先には、西野カナさんや彦摩呂さん、川村ゆきえさんなど、多くのタレントさんや女子アナウンサーのサインが…。彦摩呂さん、色紙にもちゃんと彦摩呂語録でお馴染の「味の宝石箱や~!」と書いているのを見たら、何だか感心しました。

 今日はラッキーなことに、結構スムーズに席に着くことができました。それでも、次々にお客様が来店されて、あっという間に満席になりました(もし順番待ちになったら、ここの待ち札にも注目。なんと数字の書かれたシャモジなんです!)。

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せーの、どーん!

 これが私が注文した「大とんてき定食」。このビジュアル、肉スキー系の方にはたまらないと思います。この日はその後人に逢う予定がなかったので、にんにくを増やしてもらいました(以前は無料サービスだったのですが、昨年から50円増しになったそうです)。
 この豚肩ロース、250gあります。硬そうに思いますよね? それが、簡単に咬みきれるくらい、ふっくら柔らかく焼いてあります。流石国産豚、お肉自体に甘味とうま味がギュッと詰まっていて、それににんにくの利いた濃厚なソースが絡んで、卑怯なくらいジャンクな味(もちろん、褒め言葉です!)。ご飯に合わない訳がありません。そして、見た目ほど、くどくないんです。妙齢の女性でも、パクパク食べていらっしゃいます。
 ちょっと口が油っこく感じたら、付け合わせのキャベツをこの濃厚ソースに絡めて食べると、アラ不思議。口の中がさっぱりして、なおかつご飯が進みます。魔法のようにご飯が減っていきます。これは、ご飯がどれだけあっても足りません。
 普通の豚肉のステーキとか、生姜焼きなどとはまったく違います。もう「とんてき」という名の豚肉料理の1ジャンルとしか言い様がありません。

 そして、写真奥の豚汁。ここのお店の豚汁、普通の豚汁とは一味違います。凄く濃厚で、豚のうまみエキスがギュ!っと詰まった豚汁なのです。お味噌は合わせですね。どちらかというと「札幌の美味しい味噌ラーメンのスープ」と言ったほうが良いかもしれませんね。
 また嬉しいことに、ご飯、豚汁、キャベツはお替わりOKなので、お店にいる男性はほとんどお替わりをしていました。私もご多分に漏れません、はい。このお店は、どんな意志の固い人でも、絶対お替わりをしてしまう魔力を持っています。

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これはCathyが注文した「来来定食」。

 女性用に豚の細切れを同じソースで炒めたもの。これがまた美味しい。焼いた豚肉のカリカリした部分としっとりした部分のコントラストが素晴らしい。これもごはんがススムくんです(あ、このgifアニメ、懐かしい! 覚えていらっしゃる方、どれくらいいるのかなぁ…)。

 このお店は味もさることながら、お店のスタッフの皆さんの気遣いが素晴らしいんですよ。関東在住の頃よく通って、今も大好きな目黒にある名店「とんかつ とんき」にも負けないと思います(池波正太郎先生の名エッセイ集『食卓の情景』に出てくる描写、今でもそのままです)。気持ちいいお店の接客だけでも通いたくなるお店です。家族連れにも人気があるのも分かります。

 今日は注文しませんでしたが、おつまみの「とんチップス」や餃子も大変美味しいですよ。

 二人で大満足でした。繊細な日本料理や趣向を凝らしたイタリアンやフレンチも良いのですが、たまにはこうしたB級ガッツリ系も良いですね。さあ、力をつけたところで、今年も仕事、頑張ろう!

「まつもとの来来憲」 
住所 : 三重県四日市市松本2丁目7-24
近鉄湯の山線「伊勢松本」駅下車 徒歩5分。車なら、東名阪自動車道の四日市インターから15分くらい(駐車場完備ですが、土日祝は確実に満車になります。要注意)
電話 :059-353-0748
営業時間 :11:00~14:00/17:00~20:00(L.O.は10分前まで)
定休日 :月曜、火曜日

Many Thanks!

 最近、いろいろな方に私の書いたエントリーについて、追加事項をお教えいただいております。本当に有難うございます。「善は急げ」の精神で、それらをここでまとめてご紹介しておきます。



 まずは、このエントリーでご紹介した、イギリスの名マジシャンポール・ダニエルズさんが出演したハイネケンのCM、あすぱらのk_motonariさんがYouTubeのリンクを見つけていただけました。
 ただ、4部作の1、2、4しか見つけることが出来ませんでした。連作になっていますので、リンクを張っておきます。テロップの言葉を訳しておきましたが、このままだとネタバレになって面白さが薄れてしまいますので、反転で読めるようにしておきました。動画を一度ご覧になってから、テロップはこんなことを言っていたんだと思ってください。

Part 1
題名「Black Mail(恐喝)」
テロップ:「ハイネケンを買わないと、このコマーシャルを流し続けます

Part 2
題名「We meant it(私たちは本気です)」
テロップ1:「どうやら前のCMを本気に受け止めなかった方がいるようです
テロップ2:「多分、これなら本気にしてくれるかもしれませんね
テロップ3:「良いですか、ハイネケンを買わないと、このCMを流し続けます

Part 4
題名「Treat(おもてなし)」
テロップ1:「朗報です。ハイネケンの売上が目標に到達しました
テロップ2:「そこで、皆さまにおもてなしをご用意しました
テロップ3:「なんて清々しい! そんなときこそハイネケン!

 元々ハイネケン社の海外でのCMは洒落ていたり、面白い作品が多いのですが、2002年に初めてこの映像を観たとき、よくもまあ企画が通って、皆さんがにこやかに出演したなぁ、とビックリしました。



 このエントリーで触れました、名喫茶荻窪邪宗門に関するリンクを、カズ・カタヤマ さんからお教えいただきました。

 写真家塩沢槙さんのこのブログに、荻窪邪宗門の素敵な写真と奥さまの人柄が分かる文章が掲載されています。このお店へ出向いたことがある方なら、お店の雰囲気を本当にうまく切り取っている写真だとお分かりになると思います。塩沢さんのブログには、懐かしさと温かみを感じる写真が満載です(また、食べ物が本当に美味しそう!)。



 映画 『アバター』に関する、大変面白い記事を教えていただけました。『アバター』は3Dの方式を知ってから観ないともったいない
 そうなんだ!知りませんでした…orz 確かに、この記事を読んでから観に行かないと損しますね。17の劇場に近い方は是非。匿名希望さん、ありがとうございました!



 最近、何人かの方にリンクを張っていただきました。右欄のリンクの項目にも加えてあります。

・shirikiさんの「片道きっぷ」

 この元旦から始められたばかりだそうですが(私も始めたばかりですが…)、私も以前エントリーに書かせていただいた『午前零時のサンドリヨン』の書評が面白かったです(一部意見に激しく同意したりして。元々気に入っていたたむらぱんの唄もさることながら、あのダンスにはノックアウトでした。以来、佐々木希さんが掲載されている雑誌を見つけるとつい手に取るようになり、その度に妻のCathyから冷たい視線を浴びせられることになっています。
 話は変わりますが、たむらぱんのラジオ番組が、丁度今週の月曜日から私の住む地方で始まったのですよ。お好きな方は、是非。shirikiさんのブログを読んでいない方には何のことやら分からない内容で、本当に申し訳ありません…orz)。

・shanaRさんの「窓ぎわ、前から二番目は意外に安全である。」
 
 なにやら、意味深なタイトルですね。達者な演技の動画などを、精力的にアップされています。 

 shanaRさんが演じる「カニバル・カード」を拝見していたら、亡き名人、フレッド・カップス氏の名人芸を思い出したりしました(そういえば、私が小学生だったころ、初代の引田天功さんもテレビで演じられたんですよね)。
 私個人は結構好きな現象なんです。現象そのものにユーモアと華があるんですよ。若くして亡くなったスペインの名人、ホゼ・キャロル(ペペ・キャロル)さんの作品は、極限までショウアップされた作品です(実際に演技を拝見したかった! ホワン・タマリッツ氏と演じているこの9カードモンテは傑作!)。この春辺り、大阪の素晴らしい研究家、石田隆信さんの動向をチェックされていると吉かもしれません。

 あと「8」と「ate」のギャグは『Marlo Magazine vol.2』(1977年)の中で解説された、エド・マルローのアイデアなんだからね!ベ、別にあんたのために言ってるんじゃないんだから!(←最近習得したツンデレ風に言ってみました)
 そう思えば、氏から薫陶を受けたカードの名手アラン・アッカーマン氏や、とんでもないギミックカードで一世風靡したドン・イングランド氏がよくこの駄洒落を使うのはさもありなんと思います。

 ただ、この現象はギャグやジョークを入れる余地があまりに広すぎるので、余計な駄洒落やギャグのために現象がぼやけてしまう作品も結構多いんですよね…。その匙加減が難しいために、演じたいのですが、中々演じられないままでいます。

追記:1つ前のエントリーで触れました『Abbott's Encyclopedia of Rope Tricks for magicians』(書名、間違えてました。ごめんなさい!)は、TONおのさかさんと壽里竜さんが翻訳を担当されます。私の担当する翻訳本は、書名、内容共に、もうしばらく内緒です。しばしお待ちを。



さらに追記(1月13日):
 またリンク忘れ。アメリカの奇才で優れた錯覚を生み出したジェリー・アンドゥラス氏が考案された「ナット・イリュージョン」の動画が注目されているようなので、「らばQ」さんへのリンクをはっておきます。

 以前、アンドゥラス氏のドキュメンタリーDVDが発売されたのですが、必見ですよ。未見の方には是非オススメします。

memorandum #6

 大変ご無沙汰になってしまいました。本当に長い間このブログを留守にしてしまい、申し訳ありませんでした。妻のCathyともども、今年もよろしくお願い申し上げます。
 皆さまは素敵な年末年始をお過ごしでしたか? 



 私の年末は、20年来の付き合いになるノン・マジシャンの親友が可愛い彼女さんと我が家へ来て、元旦に電撃入籍すると聞かされてビックリしたり(Kくん、Aちゃん、おめでとう!)、この地方へ遊びに来ていた従兄弟のBrandonくん(今年から小学校)と一緒に「ポケモンバトリオ0」に燃えたり(モンスターの属性とか結構覚えている自分に驚きました。彼が欲しがっていたカイオーガのチップをゲットしてあげたら神扱いされましたww)、納まらなかった仕事をしたり、あの仕事をしたり、年末進行で手が付けられなかった仕事を再開したり(SSさん、ゴメンなさい!)、放置状態だった仕事に手を付け始めたり(Kくん、ごめん!)、英語の講師をしたり(がんばれ、受験生!)、おせち料理を何品か作ったりと、大変気ぜわしかったです。
 結局、ほぼ休めずで年末年始は終了してしまいました。

 そういえば、松尾豊氏の論文「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」が相当面白かったです(pdfファイルなので、開くとき注意!)。職業ライターの方は必読。この文章を読んだおかげでネルー値が下がってしまいました。(私信:ボナ植木さまへ:絶対お好きな文章だと思います!)



 こんな慌ただしい時でも、やっぱり正月気分くらいは欲しいじゃないですか。我が家では今年も「凧茂本店」の和凧を飾りました。

japanesekite.jpg
 
 ここのお店は、全国に和凧を卸している有名店。お正月番組を見ていて、セットの装飾に使われている和凧を見てみると、その多くが「凧茂本店」の和凧なんですよ! デザインが渋くて、大好きなんです。今年の寅はここ数年で一番気に入っています。このお店は一度お邪魔すると、いろいろな和凧を見てしまい、小一時間は帰ることができません。



 バタバタしながらも、唯一、映画『アバター』をアイマックスシアターの3Dで観てきました。大変迫力のある映画でした。素直に感動して、Coolという言葉がピッタリでした。ジェームズ・キャメロン監督は凄いなぁ。これは今後の映画で1つのマイルストーンになるような作品になると思います。
 ただ、この映画を観て、ちょっと心にひっかかっていたことをズバリ書いてある面白いサイトがありました。英文翻訳を使ってお読みください(但し!アバターを観た方限定ですよ。じゃないと、映画のネタバレになります)。



 年末年始のテレビは食指が動く番組があまり無く、大みそかと元旦にBSフジで連続放送されていたアニメ版「のだめカンタービレ」をCathyと共に。そして、その面白さにビックリ。
 地上波で放送されていたときCathyだけが面白がって見ていたので、一緒に見ておけば良かったと後悔。今さらながらコミックスを買い漁ってしまいました。時間が空いたら、一気読みすることにしましょう。上野樹里さん主演のドラマも映画も原作に忠実で面白いそうなんで、これも時間が空いたら見てみる予定。
 なになに、今月からアニメ版のフィナーレが放送予定らしい。これはチェックしないと。
 
 あ、BS-TBSの名番組『あけまして酒場放浪記』も、いつもながらのグダグダ感満天で面白かったです。吉田類、最高。

 あと面白かったのは衛星劇場で放送された「魔術の女王」くらいかなぁ?
1936年の映画ですが、お好きな方にはオススメします。天勝も登場しますよ。スカパーやケーブルテレビで衛星劇場が視聴できる方は、チェックされると良いかもしれません。1月15日に再放送されますよ!



 運転免許証の書き換えへ。うっかり眼鏡を忘れてしまったら、受付の係員さんに「視力がいかんかったら更新できんからね! 気合いを入れて見たってよ!」とこの地の方言丸出しで言われました。
 年末年始の忙しさのために、この日を逃したらもう更新期限が来てしまうギリギリの日程だったので、思いっきり気合いを入れて視力検査に臨んだら、「なにあんた、眼、そんなに悪くないがね」という係員さんの言葉と共に、なんと「眼鏡等」の条件が外れました。眼力を込めすぎたので、その後の講習でDVDの映像がはっきり見えなかったのは内緒です。でも、運転には眼鏡をかけますよ!



 そして、今週はじめからは仕事始めの挨拶回りに駆けずり回りました。このブログはマジック周辺の話しになりますので、それに関連した仕事始めの話でも。



 私の住む地域でいろいろお土産を買い込んで、東京へ向けていざ出発。途中、頂に雪を纏った朝日に輝く富士山と由比ヶ浜の絶景には、夫婦でうっとり。由比のPAで車を停め、しばし絶景を楽しんでいました。そして、良い時間に東京へ到着。 



 待ち合わせ時間にはまだ早いので、東京インターから程近い西荻窪に立ち寄りました。目当ては、和菓子の名店、喜田屋さんの豆大福! 
 関東に住むまでは、豆大福が美味しいと思ったことがありませんでした。しかし、護国寺の群林堂さんの豆大福を食べて、それまでの私の考えが破壊されました。そして、この喜田屋さんの豆大福も負けてはいません。高輪の松島屋さん、群林堂さん、喜田屋さんは豆大福界のベスト3だと思います。

beansricecake.jpg
どーん!

 まずは、この大きさ! 薄い皮と表面いっぱいにゴツゴツとまぶされたエンドウ豆がそそります。このヴィジュアルは甘味好きにはたまらないでしょう。そして、一口ほお張れば、美味しいくって上品な粒あんとホコホコしたエンドウ豆のしょっぱさ、薄皮のもちもちさが口の中いっぱいに広がります。あぁ、日本に生まれて良かった…。
 この日はちょうどほぼ開店と同時にお店に入りました。お店の正面の写真を撮影して、義母のCindyさんに「さあ、どーこだ?」と写メを送ったら、速攻で「いいなぁ~。豆大福、美味しいよね~」と返事がありました。なので、Cindyさんとお正月休みで帰省していた義姉のBrendaさんのためにお持ち帰りと、カズカタヤマさんへのお土産、そして私たち夫婦用で結構な量を買い占めました。
 中野、荻窪方面へ出向かれる方は、ここへ立ち寄って損はありません。豆大福はお昼くらいには売り切れてしまうことが多いので、早めに行かれることをオススメします。



 そして、最初の目的地、東京堂出版へ。

 マジック担当の編集者Nさんと、わたしの英語の著作を担当していただいたWさんに年始のご挨拶。坂角のゆかり(この金色缶は、エビの味が濃くて美味しい)をお土産に。
 Wさんには「あ、年賀状送ったのにくれなかった薄情者には、お土産はないよ~だ!」と言ったら、いそいそとデスクの上から未投函の年賀状の束を取りだし、その中から「はいよ!」と年賀状を手渡し…。え、えっと、この事務所からすぐの所に郵便局があると思うのですが…。それよりも、早く出さなくて良いのか!?

 そして、年末年始の呑みの激しさが顔に現れていたNさんといろいろな話。今年は藤山新太郎さんの「そもそもプロというものは」、荒木一郎さんの「テクニカルシリーズ」のお札編のあと、翻訳チームとしては、TONおのさかさんが担当している『Jennings '67』(Richard Kaufman著、Kaufman & Compamy刊、1997年)が夏頃までに、そしてその後でカナダが産んだ天才クリエイター、Stewart James氏の名著『Abbott's Encyclopedia of Rope tricks for magicians』が出版予定(親しくさせていただいている、カナダの名手David Benさんが作ったジェイムス氏のサイトは必見)。

『Jennings '67』は、名手ラリー・ジェニングス氏が一番脂が乗っていた頃のカードの良作がゾロゾロ解説されている名著の1冊です。特に「オープントラヴェラー」に関する歴史的な見解と氏の作品には注目してください。
 『The Encyclopedia of...』は、ジェイムス氏が編纂したロープマジックの傑作選。知られていないけれども不思議なロープマジックが、そこかしこに隠されています。
 私個人でちょっと詳しく調べているロープマジックがあるのですが、その生い立ちなんかもチラリと載っていたりします。ロープマジック好きな方は必携です。

 私の担当する翻訳も進みだしそう。今著作名は言えませんが、本当に良い本ですよ。Old Schoolからは、今も学ぶことが沢山あります。詳細は、しばしお待ちを。

 それにしても、出版業界の話はしょっぱい話がかなり多いです。大手、中堅、弱小の編プロ問わず、そして東京堂さんもご多分に漏れません。『The Magic』誌の合本を待っていらっしゃる方、しばらく時間がかかってしまうようです。それに出版の部数も極端に少なくなってきていますね…。でも、ニッチな市場はまだまだあるはずじゃないのかなぁ、とNさん。

 結構真面目な話をしていたら、突然「そういや、なにあの餃子、すげえ美味しそうじゃん。良いグルメブログじゃん!」と突っ込まれました。ブログについて、一言も話してないし、え、えっと、このブログ、マジックの話もちゃんとしてるつもりなんですが…orz
 でも、実際にマジック関連以外の検索で来られる方は、ほぼ「スパイシーツナロール」または「手作り餃子」で来られる方ばかりというこの事実…orz
 そして、声を大にしてこのことを伝えたいですね。

東京堂出版のみなさん、仕事場でブログを読んでる人がここにいます!!
 


 そして、その後マジックの聖地マジックランドへ。TONおのさかさん、ママおのさかさん、小野坂聡さんに年始のご挨拶。TONさんには、我が家の飲ん兵衛Cathyが選んだ般若湯、ママさんには季節限定の「栗入りきよめ餅」を。

 開口一番、TONさんから「ブログ、結構評判が良いみたいだね」と言っていただけました。実はこのブログ、TONさんからも「電気の箱(TONさん語で「パソコン」の意)とも、そろそろ上手く付きあわないといけないよ」と言われたことも始めたきっかけの1つだったのです。

 その他、今後考えているアイデアをTONさんに伝え、またまたそれに関する的確なアドバイスをいただきました。流石、仙人です。また、誰にも話していない話しをズバリと当てられて、かなり動揺してしまいました。
 気がつけば、アッと言う間に2時間…。この間、Cathyはママさんとダイエットについて仲良く語り合っていたようです。ランドも今年はいろいろ企画があるよう。大変楽しみです。



 すると、ランドの入り口からカズカタヤマさんが登場。今日はランドでカタヤマさんと待ちあわせて、荻窪方面へ出掛けることになっていたのです。新年のご挨拶をして、先ほどの豆大福をお渡し。
 まずは浅草橋へ。ここは手芸材料や繊維関連の卸業者の密集地帯。カタヤマさんは仕事用のシルクを、私はロープ切り用のロープを購入。

 そして、荻窪へ。カタヤマさんお気に入りのインドカレーのお店「Nataraj(ナタラジ)」へ。
 カタヤマさん曰く「ここはベジタリアンでも食べることができるカレーなんだよ」とのことで、ワクワクしながらオーダー。
 前菜のサラダも、豆を潰したペーストを使ったドーナツとチーズを使ったソースも素晴らしい! このドーナツ、知らずに食べたら魚のすり身にしか思えない不思議。
 そして、各々注文したカレーとナンが登場。

curry.jpg
(撮影:カズ・カタヤマ)

 ナンはそれぞれ左上からガーリック、右上端のがセサミ(ゴマ)。写っていませんが、普通のナンもオーダーしました。まず、ナンが美味しい! 絶妙のモチモチ感と独特のコクが素晴らしい。Cathyセレクトのセサミナンは、香ばしいゴマの風味が口いっぱいに広がります。そして、私の選んだガーリック。もうね、ガーリックの利かせ方が絶妙で、これだけでビールがどれだけ呑めることか。カタヤマさんと「酒量が増えるとは、なんとけしからん!」と言いながら、パクパク食べてしまいました。

 そしてカレー。写真の左側のがチャナマサラ(豆のカレー)、中央上の緑色のがパラクパニール(チーズとホウレンソウ)、右側のがナタラジきのこ。豆のカレーはヒヨコ豆がホクホク! ナタラジきのこは、中に小麦粉のグルテンから作られたお肉が入っています。黙って食べたらお肉としか思えないのです。それにキノコの風味とうま味が上手く引きだされています。
 そしてカタヤマさんが一番オススメだった、パラクパニール。インドのカッテージチーズとホウレンソウのペーストが入っているカレーで、チーズのコクとホウレンソウの甘さがカレーソースと絡んで得も言われぬ美味しさ。インドカレー好きの方にはオススメできるお店です。ヘルシーなので、女性でも安心してインドカレーが楽しめます。
 カタヤマさん曰く「ランチも1000円でオススメ」とのこと。この味で食べ放題で1000円なら、私が東京在住だったら絶対に通っていると思います。



 このお店では、カタヤマさんと数時間語らいました。右のリンク欄に追加させて頂きましたが、カタヤマさんもブログ『奇は奇術師の奇』を昨年末から始められています。カタヤマさんらしい、ちょっとスパイシーなマジックに関する意見から、映画、演劇、そして天下一品のラーメンの話まで、面白い文章が楽しめますよ。
 来月には、カタヤマさんのライヴが開催されます。

kazu_flyer.jpg

「CUBISME(キュビスム)」
出演:カズカタヤマ、神雅喜、ゆみ、MAYACO、荒木巴、チカパン
演出:鈴木徹
日時:2010年2月13日(土) (1)17:00~ (2)20:00~ (2回公演)
場所:武蔵野芸術劇場
入場料:3500円(前売 3000円)


 この出演メンバーで、演出が天才クリエイターの鈴木徹さんでって言うなら、これは必見のショウだと思います。関東地方の方には、是非にとオススメします。残念ながら、私はこの日地元で開かれる別のイベントに参加することになっていて、「ライブするなら、早く言ってくださいよ~!」と思わずカタヤマさんに愚痴ってしまいました(私が参加するイベントについては、後日アップします)。

 ブログの製作秘話から、ここではちょっと書けないようなマジックの話まで、本当に沢山の話をさせていただきました。気の置けない素敵な大先輩と一緒に美味しい料理を食べながら、気合いの入った会話を楽しむというのは、時間がどれだけあっても足りません。
 
 特に印象が残ったのは「自然さって何だろう?」という話と「Youth Cultureとマジック」の話。近いうちにアップする予定の話だったので、そのアウトラインをカタヤマさんに聞いていただいて、また文章を練り直すきっかけになりました。この2つの話とも、近日中にアップしてみたいと思います。
 「古典から何を学ぶべきなのか」という話もあるのですが、ちょっとここではオフトピックスに。あと、もしカタヤマさんにお逢いする機会がある方は、カタヤマさんに「不自然なダブルリフトの話って何ですか?」と質問されると、こっそり大変面白い話を聞かせていただけるかもしれません。



 そしてその後、荻窪邪宗門へ。
 マジックをされているベテランの方ならご存知、創業1955年の老舗喫茶店です。2003年にお亡くなりになったフロタマサトシ(風呂田政利)さんが宗門(マスター)をされ、亡き高木重朗先生、泡坂妻夫先生など、凄いメンバーが参加していらっしゃった「邪宗門奇術クラブ」の本拠地でもあります。

 今日は海外の友人から託されたメッセージを伝えるために、「ママさん」と慕われる風呂田さんの奥さまの下を訪れました。お店の中はイタリアのランプが垂れ下がり、壁には洒落た絵や泡坂先生のサインが掛けられ、 昭和にタイムスリップしたような雰囲気。壁掛け時計の「ボーン」という音も大変洒落ています。
 
 気品のある風呂田さんの奥さまに友人からのメッセージを託し、美味しい珈琲と共に奥さまの芸談をたっぷりとお聞かせいただきました。奥さまも亡き石田天海氏の教え子であり、素晴らしい6枚シルクを和服でジャズに乗せて演じられます。
 長年培われた審美眼、名人だった師や素晴らしいマジシャンだった風呂田政利さん直伝の考え方、それらを総合して深い教養と共に語られるお話しの1つ1つには、カタヤマさんと頷きっぱなしでした。特に、奥さまから見た現在のマジックに関する考察は自戒ともなりました。

 「もうね、天海の考えっていうのはね、1つしかないんです。『自然になりなさい』って一言なんです。天海は一挙一動をすべて自然に見せたいがために、死ぬまで改良を続けたんです」と熱く語る奥さまの眼差しを見ていたら、今年も頑張らないといかん!と自然に気合いが入りました。気がついたら2時間ほどお邪魔してしまいました。



 アッという間の挨拶回りでした。今年もボチボチ、私のペースで進んでいきます。ちょっとしたプロジェクトも始動します。皆さんに楽しんでいただけるようにやってみます。ご期待ください!

 追伸:そうそう、10000アクセス(今はすでに15000アクセス)記念の企画、もう少しお待ちください。私の好きなマジックを、期間限定でアップする予定です(但しパスワード設定をしますので、あしからず)。

 追伸2:以前ご紹介した「ConCam Monte」ですが、日本のマジックショップでも扱い始めたようですね。これはオススメ。実用的なマジックがお好きな方は、是非どうぞ。

1月9日追記:1つ面白かった動画をリンクするのを忘れていました。「2009年を90秒で」

謹賀新年

読者のみなさま:

新年、明けましておめでとうございます。
旧年中は度々足をお運びいただきありがとうございました。
今年は、昨年末のように放置プレイにならないように努めます。
今年もよろしくお願いいたします。

Better Late Than Never
yuki_the_Bookwarm

とあるブログの謹賀新年
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Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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