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memorandum #7

 マジでこれとかこのライヴはヤバい!とか、これこれこれ聞きたい!(ドラマ『LAIR GAME Second Season』の曲はヤバかった!)とか、うわ、この写真不思議!とか、カーリングマリリンはやっぱりかわゆすなぁ、とか、名優藤田まことさん亡くなったの!?(この方も私の無き実家をご贔屓にしていただいていました…。必殺シリーズも良いのですが、当たり前田のクラッカーですよ…)とか言ってる場合ではまったくもってなく、洒落にならないボリュームの"To Do"リストが一向に減らず、早く終わらせないといけない仕事をバシバシ片付け、「練習?なにそれ、美味しいの?」といった状態で、血中マジック分が非常に少ない生活を送っています。
 何をしているのかは後日アップするとして、気晴らしに私の「美味しいもの等フォルダ」砲の火を吹かせましょう。



 その前に、えっと、褒め殺しをするなら、もっと徹底的にやっているかと(笑)。
 ボナ植木さんのレクチャー、本当に凄かったんですよ。やっとメモをテキスト化して備忘録フォルダにしまったのですが、思い返してもやっぱりハンパない内容です。詳しくは、1つ前のエントリーをお読みください。

 同じ週末に東京で行われたカズ・カタヤマさんのライヴも大変素晴らしかったと風の噂で聞きました。うーん、このショウも絶対拝見しに行きたかった…orz



 ついに二度目の成人式を迎え、同時に本厄の年ともなりました…翻訳家だけに…orz
もちろん行きましたとも!厄払いをするために、尾張大國霊神社(国府宮)へ。

kounomiya_1.jpg

 ここの神社は奇祭「裸祭り」でも有名な神社で、厄払いにも御利益があるということで出掛けてみました。手続きを済ませて、拝殿の中の待合室に入ると…。

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がら~ん。

なんと誰もいません。ひょっとして、妻のCathyと私の貸切り?とヒヤヒヤしましたが、お祓いが始まる数分前にあと2組の善男善女がいらっしゃって少し安堵。流石に拝殿で宮司さんと2人きりというのは、ちょっと間が持ちません。

 なにはともあれ無事にお祓いも済ませ、今年分の「なおいきれ」(難を追うといわれる、紅白の布の端切れです。上のウェブサイトのトップページに飾られています)も頂いたので、厄年でもがんばることができるでしょう。
 ちなみに今年の「裸祭り」は2月26日だそう。この地方にいらっしゃる機会があれば、海外でも大変有名になった田縣神社豊年祭と共に一度は出掛けてみて損はないお祭りでしょう。



 何やら、このブログが書評サイトとして登録されているそうでして。それならば、本の話でも。
 過日、アメリカのイラストレーターであるサンドラ・コートさんから、素敵な小冊子のシリーズ『The Ron Baure Private Studies Series』全24冊が届きました。

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(写真はスペースの都合で10冊分)

 私も製作協力したパロディー誌『The Magicca vol.81』に掲載された私のコラムでもご紹介しましたが、亡き名人ミルト・コート氏の娘さんで、マジックの解説書や専門誌に素敵なイラストを数々提供されています(ミルト・コート氏のことは、1999年に発表されたスティーブ・ミンチ氏の名著『KORT - The Magic of Milt Kort』を是非お読みください。作品の面白さもさることながら、コート氏による四方山話や細かい知恵が本当に面白いのです!)。
 上にある写真の中の本にも書かれている、似顔絵を模したサインはご覧になったことがある方も結構いらっしゃるのでは?

 『The Magicca』に掲載する文章をお願いする中で「Yukiは新しくなった小冊子は持ってるの?」と言われました。この小冊子には2つの版が存在しており、古いものは色ケント紙に白黒で印刷された表紙になっていて、新しいものは全面フルカラーの表紙になっています。
 「古い版を持ってますけど、何か変わったんですか?」と話したら、「なに言ってるの! さらに良くなってるのよ!」とのこと。古い冊子を持っている人は表紙を切り取ってサンドラさんに送ると、全部新しい冊子に交換してくれるそうなのです。そこで、古い小冊子の表紙を切り取ってサンドラさんに送ったのでした。

 この小冊子には良くあるマジックの賢い改案や、あまり知られていない過去の名人たちが作り上げた秀作を贅沢に紹介しています(一度、ある日本人の著者に無許可で日本のマジック専門書にある作品が掲載されてしまったこともありました)。著者であるロン・バウワー氏は、長年セミプロ(本職はライター)として活躍しているだけでなく、過去の名人たちから直接マジックを習得しただけあって、その現象を単純化するだけでなく、さらにインパクトを強めることに腐心しています。
 また、使用する技法も大変細かく解説されており、中でも氏の“Convincing Control”というカードマジックの技法は非常にカジュアルに見え、中々お目にかかれない“Convincing”さ(説得力)を持っています。
 新しい版では、新たに加えられたマジックや改良されたアイデアなども収録されていて、さらにお買い得になっていますね。

 良い現象、詳しい解説と素敵なイラスト(サンドラさんのイラスト、好きなんですよ…)、詳しいセリフ(ただし、そのままでは使えない部分も多いので“頭を使う”ことが要求されます)、そのマジックが不思議に見える理由など現象の背景、すべてが1冊に集約されて1冊10ドルならば、かなりお買い得だと思います。今流行のビックリ箱の様なビジュアルだけが重視されるマジックではありませんが、観客と意志疎通が出来る良いマジックをお探しの方には是非にオススメできる小冊子です。
 この小冊子の中から「鉛筆と指輪」などいくつかの手順は私のお気に入りになっていますし、改めて読み返しても基本の大切さを実感できて、何度も唸ってしまいました。オーソドックスなマジックも、ちょっとした捻り1つでさらに魅力が増す好例でしょう。

 基本が出来ていないのにBuck兄弟(アメリカの双子のカーディシャン。カードの超絶技巧をクールにこなす。今流行の若いストリート・マジシャンたちにとっての神のような存在。DVDも多数発売しています)のような高等技術を目指しても、絶対に上手く見せることはできませんから。

ちなみに、古い小冊子の表紙を送られたい方は、次の住所へどうぞ。

E- GADS c/o Ms.Sandra Kort
P.O. Box 80906, Rochester, MI 48308-0906 U.S.A.
e-mail : E-GADS@att.net



 あと、本と言えば私が担当する新しいマジックの翻訳本の情報公開が許可されました!

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 アメリカマジック界の長老の1人であり、クロースアップからステージまで幅広くこなすオールラウンド・プレイヤー、ロン・ウィルソン氏のマジックを解説した名著『The Uncanny Scot : Ron Wilson』(リチャード・カウフマン著、Kaufman & Greenberg刊、1987年)です。出版元は、お馴染の東京堂出版さんになります。
 邦題は『ロン・ウィルソンのプロフェッショナル・マジック』…になるのかなぁ??(Nさん、どうなんでしょう??)

 もう若い方は氏のマジックをご存じない方も多いかもしれません。最近では氏の消失するデックが単品で発売されていますが、あれだけで氏の凄さは理解できません(また、YouTubeで出回っている、他のマジシャンが演じているこのマジックの映像を見ただけでは、残念なことにこの演技の本当の素晴らしさは分からないですねぇ…。ちなみに、氏はこのマジックを演じ終えると、すぐに椅子から立ち上がってお辞儀をしテーブルから立ち去っています)。

 マジックの聖地マジックキャッスルの常連で、一時は取締役にも就任されていました。亡きカードの名手ラリー・ジェニングス氏に一番最初にマジックを手ほどきしたことでも有名です。
 今は引退されてしまったのですが、クロースアップもステージも痺れるような上手さでした。この本の中には、本当に不思議なマジックがゾロゾロ解説されています。この本の中に解説されているマジックのいくつかには、腰が抜けるほど騙されたこともありました。今まで出回った海賊版の翻訳よりも、内容はさらに良くなります。もちろん、今回も素敵なオマケ付きの予定です。
 『デレック・ディングル カードマジック(コインマジックもあります』(リチャード・カウフマン著、拙訳、東京堂出版刊、2009年)よりも難易度は低いですし、実用的なマジックも多数含まれています。
 骨太のマジックがお好みの貴兄に捧げます。出版時期などは、また追ってお知らせいたします。お楽しみに!!



 この他にも新しい仕事のGOサインがいくつか正式に出たということで、夫婦でちょっとお祝いをしに出掛けました。『仏蘭西菓子 お菓子屋レニエ』です。
 場所としては、マジシャンにとってはマジックショップの「マジョック」の近くと言ったほうが分かりやすいかも。

 このお店が誕生して結構な年月になるのですが、年を追うごとに味が洗練されてきています。そして、今ではこの地方の超有名店の1つになりました。昔は小さな工房だったのですが、今では同じ敷地に3つの店舗があります。
 まずはここ、レニエが作ったショコラトリ『Senoufo』へ。

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この玄関とこのシャンデリア、好き!

 アフリカン・アートとボルドーレッドに彩られた素敵な店内には、本当に美味しそうなショコラ(チョコレート)が山のよう。シェフ自らがブラジルに出向いて自分好みのカカオを見つけて栽培して、それからカカオマス(チョコレートの原料)を作っていますので、不味かろう訳がないのです。このチョコの艶をご覧ください!

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キラッ☆ミ

 チョコレートの艶を見るだけで、テンパリングなどの工程がどれだけ丁寧にされているかが分かります。
 ここのお店もGODIVAのように、不謹慎にも“末端価格”という単語が脳裏を過る価格帯(10g18円~:つまり、小さなチョコレート1粒が230円くらいからの値段)なのですが、その値段に十分見合ったお味です。
 義母のCindyさんと休暇でこの地を訪れている義姉のBrendaさんのために、ちょっとお土産を購入。

 そして、こちらのカフェ『Le Cafe Bourgeon』へ。以前は静かで薄い緑に囲まれた素敵なカフェだったのですが、多くの美味しいもの好きな友人たちから“テレビで有名になってしまったために、客層が完全に変わってしまった”と知り非常に残念で、ちょっと足が遠のいてしまっていましたのでした。
 今日は当たりの時間帯だったようなので、静かで落ち着いた雰囲気の中でケーキを頂きました。

 Cathyは“タルト・ショコラ”

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この卑怯なくらい美味しそうな艶!

 私は季節限定の「秋の集大成」

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うは、この迫力!

 タルト・ショコラは、タルト生地にもチョコレートが入っていてちょっと変わった趣き。ギリギリまで濃厚なチョコレートと甘くない生クリームとソースの組み合わせが絶妙です。口の中でチョコレートがとろけて消えていきます。

 私の「秋の集大成」はさつまいものプリンの上に栗のロールケーキと、このお店の秋から冬のスペシャリテ「中津川モンブラン」に使っている栗のクリームがどっさり。栗のクリームとさつまいものプリンが凄い!
 私はモンブランがかなり好きで。でも、フランスの元祖モンブラン(例えば『Salons de the Angelina』)だと、凄く美味しいんだけれど、たまに胃に重く感じたりして。やっぱり日本の栗を使って、水分が丁度良い栗分が多いクリームの方が良いときもあって。今日はそんな気分にピッタリでした。

 非常に美味しいケーキを堪能していたら、ちょっと店内が煩くなってきたので、早々に退散しました(なるほど、こういうことか…友人たちの言葉が理解できたりして)。もうちょっと寛ぎたかったですが、仕方ありません。久しぶりに、このお店のケーキに大満足しました。でも、これからはテイクアウト専門にしちゃうかなぁ…。

・『仏蘭西菓子 お菓子屋レニエ本店』
名古屋市西区五才美18-2 Tel : 052-502-0288
(定休日)月曜日または火曜日(電話で問い合わせると吉でしょう)
最寄駅は、名古屋市地下鉄鶴舞線上小田井駅なのですが、車で出掛けた方が楽です。駐車場完備。




 そんなこんなで、もうしばらくはどうしてもバタバタが落ち着きませんが、ブログの更新をしばしお待ちくださいね! うーん、早く落ち着きたい…。こりゃ、身体が3つないと無理だな…。
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ボナ先生との土曜日

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 洒落にならない量の"To Do"リストをこなす日々の中、先週の土曜日ナポレオンズボナ植木さんの講習会を受講するために、名古屋の大手マジックショップUGM社へ出向きました。限定32名と聞いていたのですが、会場へ入るとすでに50名近い観客で大入り満員の状態でした。

 何と言っても、レクチャーのコンセプトが冴えています。「与えられたマジックしか演じられないマジシャンから、自立したマジシャンになろう!」というコンセプトなのです。何らかの依存症脱出のための自立更生プログラムのようですが、この一言が伺えただけで、もう大満足でした。

 大変美しい毛花のプロダクションを皮切りに、クロースアップからサロン、ステージマジックまで本当に多種多様なマジックを詳細に、そしてボナさんの経験を元にした分析を加えながら講習されていきました。ぶっちゃけ、2時間では足りないほどの内容の濃さでした。
(毛花のプロダクションを拝見していたら、丁度先週末に亡くなられたイギリスの名手であり長老格だったパット・ペイジ氏の演技を思い出して、しみじみ感じ入ってしまいました。この方も物凄く美しい毛花のプロダクションをされたのですよね…)

 実際の講習では、なんと、実際にボナさんが一般の観客に演じている手順をそのまま解説されていったのです! 本来だったら有り得ない話です。それだけで背筋がピンと伸びてしまいました。また、何が素晴らしいかと言えば、ボナさんの理論とその実践のバランスが絶妙なのです。このバランスがとれているレクチャーは、あまり多くないと思います。

 ボナさんがこの日記エントリー(2010年2月12日分)に書かれていた左手を使ったカードマニピュレーション、本当に素晴らしかったです。両手でのカードマニピュレーション、日本では松旭斎すみえ師匠以来初めて拝見しました。
 手順の中にさり気なく織り込まれるサトルティーが本当に巧妙で、何度も「うわ!」と声を上げてしまいました。

 2時間をかけてボナさんが伝えたかったことは、奇しくも“教授”ダイ・ヴァーノン氏が語った「頭を使え」ということだったのです。観客が魔法がいつ起こったか分かるようにするには「魔法をかける意志」(アメリカの素晴らしいマジシャン、アル・シュナイダー氏が生み出した素晴らしい術語です)を示さなくてはならないこと、方法を単純化すること、自分に合った演出を考えること、確実にマジシャンとしての任務を遂行するためにはどうすべきか考えること…すべて、頭を使わなければできないことなのです。
 そして、長年第一線で活躍されているプロとしての経験から生まれた様々な創意工夫と演技の理論に痺れました。特に、ジャケットの処理の方法については、私にとってそれだけで会費の元が取れたと思います。

 1月に東京で行われたゾンビボール(金属球の浮揚現象)の講習会が大変素晴らしかったと聞き及んでいましたが、このレクチャーも負けず劣らず大変素晴らしかったです。
 皆さまのお近くでボナさんのレクチャーが開催される機会がありましたら、万障繰り合わせてお出かけになることをオススメします。下手なレクチャーDVDや商品を買うよりも、何百倍も価値のある時間を過ごすことができるでしょう。存分に魔法に触れた、素敵な週末の午後を過ごすことができました。

…しかし、一度自宅へ戻れば課題山積の現実に引き戻されるこの悲しさ。素敵な余韻にもっと浸っていたかったなぁ…。



 もし、ボナさんのレクチャーの片鱗だけでも知りたいという方には、このレクチャーDVDをオススメします。毛花のプロダクションを題材にした「現象の綺麗な見せ方」と、素敵なビリヤードボールの分裂“ボナズ・フリップ”を演技、解説されています。このレクチャーDVD、実はかなりのお買い得DVDですよ!

 …え?良い毛花が欲しいですって?? それならば、武藤桂子さんが主催されている毛花を専門に取り扱うネットショップ『Secret Garden』へ是非どうぞ! 詳細は2つ前のこのエントリーをお読みください。

MEOTO YOGEN~お色直しバージョン~

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 過日、私の住む街に京都のプロマジシャンであり、奇術専門誌『掌 - PALM -』誌編集長のYuji村上さんがふらりと遊びにいらして、いろいろ話が盛り上がりました…主にこの街のグルメやラーメン的な意味で!(彼とのグルメ紀行の詳細は、このエントリーをお読みください)

 それだけですと、単にラヲタ(ラーメンオタク)同士の話かい!ということになって流石に不味いと思いますので、彼が考案した素敵な作品をご紹介しましょう(そうなんで、実はこのブログ、マジック周辺に関するブログなんです。書いている本人がたまにこの事実を忘れかけてしまいます、はい)。

 ここ数年、非常に優秀な彼のカードマジック(ギミックデック)がいくつか売り出されていて、この作品もその1つです。現象はこんな感じに見えます:

 二人の観客のために、それぞれ1枚ずつ予言のカードをそれぞれの前に置きます。1組のデックを取り出し軽く混ぜたら、そのままテーブルの上に置きます。
 それから2人の観客に1から52までの数字の中から「ある条件」に則ってそれぞれ1つの数字を決めてもらい、観客自身がデックを持って、自由に決められた数字の枚数目のカードを配って取り出してもらいます。この自由に選ばれたカードが、予言のカードと見事に一致しています。


 この作品は、もともと『SFマジックフェスティバル コレクション4“奇術狂の詩”』カズカタヤマ編著、片山工房刊、2008年)の中で発表された作品です。この作品集を読んでから、すぐにこのデックを作って、しばらく楽しんでいました。
(ちなみにこの『SFマジックフェスティバル』シリーズは、大変豪華なコンピレーション作品集になっていて、村上さん以外にもカズカタヤマさん、ヒロサカイさん、ゆうきともさん、鈴木徹さん、ゆみさんといった当代一流のマジシャンたちが素敵な作品を惜しげもなく発表しています。大変オススメな小冊子のシリーズです)

 元々はイギリスのAlakazam Magic社から発売されている『Eliminator』(今はver.2になっています)という作品からヒントを得て、それを村上さんが巧妙に昇華させました。

 現象の文面からは伝わりにくいのですが、非常に不思議で不可能さ満天の予言なのです(本当にメンタルマジックの現象だけは、不思議さが文章から伝わりにくい! 動画でも伝わりにくいことが結構あるし!)。
 なんと言っても、動作のすべてが本当に公明正大に見えます。観客にデックからカードを配らせていくので、基本的にテクニックは使っていません。なので、演者側の負担は相当少なくなっています。
 観客にデックを扱わせますので、デックそのものに細工は一切されていないこともお分かりになると思います。
 で、この「お色直しバージョン」は原案と何が変わっているか?と言いますと、原案よりもデックを良く混ぜた感じが非常に出ています。なので、より不思議な印象が強まっています。

 現象の中にわざと「ある条件」と書いてありますが、「二人の観客に同じ数字や近い数字を選んで欲しくない(実際にそうなると、現象としては面白くなくなるか、下手をしたら現象が成立しなくなります)」という理由付けがありますし、観客が自由に決めることが出来る範囲もかなり広いので、きちんと演じたなら観客に不自然さを感じさせることはまずないでしょう(最近発売されているメンタルマジックにおいて「マジシャンが決めた条件下」で観客に選択させる現象も少なくないのですが、結構不自然な条件下で選択させる作品がかなり散見されますからねぇ…)。

 しかも、このデックで考えられているのが、このデックを使って複数のカードマジックが演じられるように構成されている点です。つまり、このデックを使って4枚のエースを使ったマジックなどをいくつか演じてから、そのままデックをすり替えることなくこの不思議な予言へ入ることができるのです。
 これはプロとして活躍されている村上さんならではの配慮でしょう。こうすることでデックを自然に改めることになり、この予言がさらに強力になります(この作品、ギミックデックとしては、かなり自由にデックを改めることが出来ます)。

 マジックの題名の通り、カップルやご夫婦に演じますと大変素敵なマジックになります。私は予言そのものも結婚式で使用するWelcome Board(こんなものです)の写真を使っていて、演じた後でプレゼントしています。先日も我が家を訪れた若いカップルに演じたら、大変好評でした。

 ここまでマジックショップの商品紹介通りの商品も珍しいわけで、良いメンタルマジックがお好きな方にはオススメできる商品です。

MEOTO YOGEN~お色直しバージョン~ 2800円 
Fields Magic Entertainment社他で発売中




 もう1つ、彼に見せてもらった別のギミックデックがありました。本当に不思議で、しかも使い勝手が大変良いギミックデックです。
 この商品も少し前からあるマジックショップより発売されているのですが、今回の新バージョンではその応用例が15種類も詳細に解説されています。その内2つの方法は、メンタリストなら絶対にすぐ使いたくなるような物凄く不思議な方法です(どれかは内緒!) しかも『MEOTO YOGEN』のように演者にとってかなり楽な操作になっているのでストレスもありませんし、観客からも非常に公明正大に見えます。

 3月に開催される村上さんのレクチャーに参加される予定の方や、村上さんにお逢いする機会がある方で、このデックが気になる方は直接お話しされると良いでしょう。さらに、今年の夏前後にこのギミックデックがDVD付きで再発売されるとのこと。発売をwktkしながら待つと良いんじゃないかな?…と思います。
2月3日追記:5月に開催される『SFマジックフェスティバル』で、このギミックデックが初お目見え?になるそうですよ!

Genii January 2010

genii_jan_2010.jpg

 え、もう2月なの!?とか、ipadデカイけど欲しい!とか、うわ、サリンジャー氏が亡くなったんだ…(村上春樹訳の『ライ麦畑』は読みやすかったなぁ…。野崎訳の『ライ麦畑』も味わい深いんだよなぁ…。映画評論家の町山智浩さんによるこのブログエントリーは凄い!)とか、名著『Tarbell Course in Magic』が順次絶版だと!…とか、貴乃花親方理事に当選とか、気になる話が多い今日この頃ですが、やっと親友RichardからGenii誌2010年1月号が届いて、ようやく読み終えました。

 今回は昨年の秋に開催された『Los Angeles Conference on Magic History』というマジックの歴史に関するコンベンションが特集されています。
 マイク・ケイヴニー氏やジム・ステインメイヤー氏といった一流の歴史家が中心となり、2年に1回ロスアンジェルスで開催される大会です。250名の招待客しか参加できないため、競争率が大変高いことでも知られます。去年は私もエントリーしたのですが、キャンセル待ちとなり、結局は参加できずに大変残念でした。

 今年の注目は、18世紀後半に考案され、今はもう失われた芸術となった映画の前身として知られる動く絵画『Eidophusikon』の完全再現です。映画だけではなく、特殊効果、マジック、舞台照明など、さまざまな要素が加わっている、大変貴重な見世物です。Richard曰く「凄い」の一言だそうで、実際に観てみたかったです(アメリカのサンマリオにある図書館The Huntington Libraryで、その一部は観ることができるそうです)。あと、名手John Carney氏が演じた、近代奇術の父ロベール・ウダン氏が考案した“オレンジの樹の幻想”も大変素晴らしかったと聞いています。

 参加された方の感想の一部がGenii誌が主催している掲示板「Genii Forum」このスレッドに、前回の大会についてはLA Times紙のこの記事に書かれていますので、興味のある方はご一読ください。

 連載記事では、『カードカレッジ1~4』(加藤友康、壽里竜訳、東京堂出版刊)でお馴染のロベルト・ジョビー氏の連載「Genii Session」が帰ってきました。今回は奇術解説書の書き方について深く考察されています。
 文芸作品のように読むことができる奇術解説書が出来ないのか?と疑問を投げ掛け、そうするために必要な要素は何か?と詳細に解説をしています。私が普段何げなく心がけていることなどがさらりと考察されていて、なるほどなぁ、と感心しました。
 そういえば、昨年氏が発表したDVD『Roberto Giobbi : Card College 1&2』(Hahne Books刊、2009年)、内容が物凄く良いです。日本語のテキストをお持ちの方は、絶対観て損は無いDVDだと思います。去年発売されたレクチャーDVDの中でも、私見ではベスト5に入る作品です。本の中では触れられていない新情報がぎっしり詰まっています。

 奇術解説の「Magicana」では、Max名人の新しいコラム「Lost Horizons」が始まりました。
 優れた創作家としても知られるMax名人が、今まで奇術専門誌に寄稿した多くのメンタルマジックを掘り起こし、それを新たに解説していきます。有名な商品「マジックプロブレマ(プロブレマダイス)」の現象を、お馴染の6Pチーズを使って再現しようという試みです。しかし、実際にはMax名人の方が先に考案していたという事実が明らかにされます。
 他にもiphoneを使ったカード当て(これは面白い!)や、素敵なコインの貫通現象、亡きカードの名手Jack Parker氏の作品「Kentucky Fried Aces」(4枚のエースの変化現象。良作)などが解説されています。

 今回注目すべきは、商品レビューなのです。このブログにも登場したM嬢こと、2002年IBM国際大会でGold Medalを獲得された武藤桂子さんが主催するネットショップ『Secret Garden』が紹介されています。
 カスタマイズできる毛花というのは世界中でも類がなく、品質の良さはお墨付きです。私は武藤さんのある製品を愛用させていただいているのですが、凄く丁寧に作られているのが分かります。
 レヴュワーであるシカゴ在住の優れたプロマジシャン、ダニー・オーリンズ氏の言葉をご紹介しておきます。

『色の組み合わせをカスタマイズできる、最高級の毛花。うまく解説された花のプロダクションのDVDも買い。愛らしい』


 この言葉がすべてを言い表していると思います。一流の演技者だからこそ作ることができる、最高の道具という好例でしょう(彼女の素敵な演技の一端は、この動画でご覧ください)。
 花のプロダクションをレパートリーにされている方には、オススメできます。日本から送られた商品で、ここまで海外の奇術専門誌での評価が高い商品は、最近ではあまりお目にかかりません。また、他の商品にも素敵な作品が多くありますよ!

 その他にも、以前このエントリーでご紹介した大作『MAGIC : 1400s - 1950s』のスニーク・レヴュー(今も読み続けていますが、本当に凄い本!内容が濃すぎます)や、「It's Magic」という有名なショウの記事、先生Jamyによる書評など、今回も読みごたえ十分でした。

 Genii誌のウェブサイトから購読申込が可能です。英語がちょっと心配ならば、日本での定期購読を受け付けているマジックランド(03-3666-4749)へご連絡ください。

(ナイショの追記:ある方々の凄い連載が始まるかも…期待して待つと吉なのでは…)
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Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
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