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『ジェイ・サンキー センセーショナルなクロースアップ・マジック』ご購入のお客さまへ

 この度は『ジェイ・サンキー センセーショナルなクロースアップ・マジック』をご購入頂き、誠にありがとうございました!お楽しみ頂けますと幸いです。

 訳者あとがきにあります注釈ですが、ただいま鋭意準備中であります。完成までもう少々お待ち下さいませ。
 完成次第、ここでお知らせ致します。
 
 よろしくお願い申し上げます。

 yuki_the_bookworm
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『ジェイ・サンキー センセーショナルなクロースアップ・マジック』

sankey_1.jpg

 私の最新翻訳本『ジェイ・サンキー センセーショナルなクロースアップ・マジック』が届きました。これは、友人Richardが1986年に出版した名著『Sankey Panky』(Kaufman and Greenberg刊)の完訳になります。

 今回は日本が誇るクロースアップマジシャンの前田知洋さんに素敵な帯文を書いて頂いて、大変ありがたいことであります。

 この本の主役ジェイ・サンキーさん、今の若い奇術愛好家の皆さんからすると、Sankey Magic社のオーナーという方が分かりやすいかもしれません。



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なんと「エアタイト」が巻頭特集!

 1983年、まったく無名だったカナダの大学生ジェイ・サンキーが奇術専門誌『Richard's Almanac』の1,2月合併号に堂々登場し、購読者たちをアッと言わせました。そして、どうやってサンキーさんを見出したのか?とこの雑誌の発行をしていたRichardはいろんな人に訊かれるようになりました。ある時、その真相をRichardが教えてくれました。

 1982年当時、友人Richardはいわゆる「動く絵」と言われる作風でマジック専門のイラストレーターとして確固たる地位を築いていました。すると、世界各国の奇術愛好家やプロが自分の作品を発表して欲しい一心で、自分の演技を収録したVTRを彼の下へ送ってくるようになったそうです(なんと、今もそれが続いているとか)。

 ほとんどが取るに足らないものばかりだったのですが、その中でカナダの片田舎に住む19歳の少年が送って来たビデオが気になったんだそうです。手紙には「もしかしたら世界で誰もやったことがないテクニックかもしれないので、見てほしい」とあり、そのVTRを再生するとオーバーオールを着た田舎っぽい風情のお兄ちゃんが映って、何をするのかなぁ?と見ていたら本当に不思議で奇妙なマジックを次々に演じ始めたのです(その中には本書にも収録されている“ハンピンチェンピンハン”も収録されていて、それは本当に衝撃だったそう)。このお兄ちゃんこそ、高校生当時のジェイ・サンキーその人でした。

(送られてくるビデオにこうした素晴らしい例外はほとんどなく、もう1つの素晴らしい例外はアメリカの素敵なマジシャンチャド・ロングさんだそうです)

 それから手紙でやりとりをして、とあるマジックの大会で1回逢っただけで彼を自分の雑誌に登場させようと思ったそうです。「1980年初期にあれ程センセーショナルなことはなかったなぁ」と今でもRichardは言います。

 Richardの雑誌に登場して以来、サンキーさんは押しも押されぬクロースアップ・マジックのニューリーダーとなっていきました。



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あ、レクチャーノートはこれ1冊しか出てませんから。仰る通り内容はカード・コインと別れていますが。

 その衝撃的なデビューから3年後の1986年8月8日。東京の六本木に完成した東京全日空ホテル(現・ANAインターコンチネンタルホテル東京)のこけら落としの一環として「ニューヨークマジックシンポジウム東京大会」というマジックの大会が開かれました。地方都市に住む高校生だった私は、奇術専門誌『季刊不思議』に載っていた亡き天才トミー・ワンダーさんの演技が見たい一心で必死にアルバイトをしてお金を稼いで、この大会に参加しました。

 で、その中でも光っていたゲストのお一人がジェイ・サンキーさんでした。ジーンズにボーダーのTシャツ、その上にスポーツジャケットを羽織るスタイルで、今では普通ですが当時はその恰好が凄くオシャレに見えたものです(当時のクロースアップ・マジシャンのイメージはスーツという感じでした)。

 その現象のぶっ飛んでる事と言ったら! 3枚のコインがガラス管の中を1枚ずつ通り抜けて手から手へ飛行する、1組のカードが突然風船の中に入ってしまう、サインが書かれた2枚のカードがくっついて1枚のカードになってしまう、テーブルの裏にへばりついていたチューインガムをその台紙にくっつけて空中に投げ上げると一瞬で食べる前の普通のチューインガムに変化する……当時、こんな「マンガ」的なマジックは滅多にお目にかからなかったと思います。その現象の面白さと方法論の賢さ、思いもよらないオリジナルなテクニック、その三位一体になった妙が大変素晴らしく、凄い衝撃だったのです。

どれ位衝撃的だったかというと、この時発売された『ジェイサンキー レクチュアノート』(マジックランド刊:ちなみに内容は『Sankey Panky』からのより抜きです)はもちろん、本当につまらないトリックまで彼の作品はすべて買いこむほどでした! そしてその顛末は、本書の訳者あとがきに書いた通りです。

 (アメリカの鬼才、ポール・ハリスさんのマジックもこの当時相当奇妙だったのですが、1984年を最後に新作の本を出版しなくなっていました。その次にマジックの専門書を出版したのは1991年に共著、1996年に合本となります。後にこの辺りの時代をご自分でも「セミリタイアしたマジックボーイだったのさ」と仰っていますね)

※ちなみに、New York Magic Symposium Collectionには、第3巻と第5巻にサンキーさんの作品が収録されています。
  


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その後のサンキーさんというと、単品の作品が奇術専門誌に解説されたり、レクチャーノートが何冊か出版されたのですが、親友のリチャード・サンダースさんとの共著『When creators collide』(Ben Harris Magic刊、1987年)が出版され(あまり知られていない本ですが、非常に面白い作品集です)、親友Richardが『Sankey Panky』の続編として『100%Saneky』を1990年に出版してから、作品集が出版されなくなってしまいました。そして、パッタリとマジックの世界での露出が減っていったのです。

 何故かと言えば、サンキーさんはスタンドアップ・コメディアン(アメリカ風の漫談家)として活躍するようになったから(結構シニカルでブラックな漫談をされていましたね)。ですので、1990年代はスタンドアップ・コメディに関する本を出版したりしています。

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ちなみに、2004年に出版された『Sankey Unleashed』(Jon Racherbaumer著、Squash Publishing刊)は、もともとRichardが出版する予定だったのですが、Genii誌を買い取った時にそれまで出版準備をしていた本の版権をいろいろな出版社に譲りました。この本も、その中の1冊でした。実は3部作になる予定だったんですね。



 1990年代にマジックの世界から少し遠ざかってしまったからか、正直90年代後半から2000年代を経て現在のサンキーさんが創作してきた作品は、玉石混交の状態になっています。今サンキーさんが発売されている作品は1980年代に考えた原理を応用したマジックも結構あって、その原案の方が良かったりすることも。
 そのためか、サンキーさんの作品を心良く思わない愛好家の方も若い愛好家の方を中心に結構いらっしゃるようです。

 しかし、今の時代だからこそサンキーさんを再評価するべきなのではないか?と私は思います。一見すると「ただの変わった事をするお兄ちゃん」ですが、実際は本当にバランスの良いクロースアップ・マジシャンでした。その独特なテクニックも、今流行っているような力技で押し切るような感じではなく、彼の演技と彼の動きにマッチしていてあざとく見えないのです。そして、その当時の彼のマジックの考え方が分かる「あとがき」は、マジシャンは一度は目を通しておいた方が良い内容だと思います。

 丁度、今年の7月にはサンキーさんのデビューから今まで考案された作品から選び抜いた400作品を解説した3巻セットの合本『Definitive Sankey』がVanishing Inc社から発売予定になっています。
 これを読む前に、彼の原点を押さえておくというのは、決して悪くない事だと思います。



 サンキーさんへの理解をより深めて頂けるように、今月の初め、ジェイ・サンキーさんの創作について、前田知洋さん、広島の素敵な愛好家で治療家の鍛治中政男さんと私の3名でディスカッションをしました。本書に解説されている作品を試しながらお読みになられると大変興味深いと思います。

 ご興味のある方は、こちらからどうぞ!→ ディスカッションof h3m



 サンキーさんの作品は世界中のマジシャンが今でも演じています。解説されている「エアタイト」という作品だけでこの本の価値は十分あるでしょう(自己流で演じられている方は、原作がどう演じられているか知るだけでも価値があるでしょう)。しかし、その他にもキラリと光る作品が満載です。

 1980年代という、マジックの神様ダイ・ヴァ―ノンを筆頭にマジックの世界の長老方がまだお元気で、若い世代たちも続々と登場し、非常に活気があったマジックのルネサンス期とも言える時代において、サンキーさんは確実に輝いていた存在でした。私が本書に「センセーショナルな」という言葉を使ったのは、当時本当にセンセーショナルだったからです。そして、今でもそのセンセーションは作品の中に生き続けています。今でも演じたらビックリするような素敵な作品がいっぱいありますから。

 ベテランの愛好家の方には懐かしく、若い愛好家の方には練習しがいのある、すべての愛好家の方に楽しんで頂ける刺激的な作品集だと思います。

 良いマジックを愛する皆様に楽しんで頂けます事を祈っています。



ジェイ・サンキー センセーショナルなクロースアップ・マジック』 リチャード・カウフマン著、角矢幸繁和訳、東京堂出版刊、2012年 定価 2800円+税

全国有名書店、インターネット書店にて絶賛発売中。
 



追伸:そうそう、私の著作とかマジェイアさんのブログとかwikiの内容を安易にコピペしても何の意味もないですよ、と言ってみるテスト。結局、自分の身体を通したことしか人間は書けませんから
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何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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