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大原のこころみ 「Birth -誕生-」

oohoranote
 
 どうも皆さま、お久しぶりのyuki_the_Bookworm(a.k.a.べたねば)です。

 元気にバタバタな日常を送っております。更新が少なくて申し訳ありません。
 何もしていない訳ではなく、こんなことをしたりしていました。

happypeople
大阪にて。右奥からモハメッド福岡先生、私、滝沢敦さん、左奥からムッシュ・ピエールさん、花田圭介さん、トリットさん。

 呑み会ですか!というツッコミは無しの方向でお願いします!!(個人的に読書会を始めたりしてるですが、それはまた、別の話。)



 さて、あの未曾有の災害、東日本大震災から1年が経過しました。まだまだ、震災前の日常が戻ったなんて言える状況ではありません。先日放送されたNHKスペシャルは涙なしに観ることが出来ませんでした。
 そんな中、東京の若き才能、大原正樹さんが本当に素敵なチャリティーレクチャーノートを発売されました。それがこの『大原のこころみ「Birth -誕生-」』です。



 勿論、大原さんの素晴らしさは既刊2冊のレクチャーノート、そして昨年発売された素晴らしいDVDでご存知の方が多いと思います。 

 その分かりやすくユーモラスなプロット、緻密な構成、斬新な技術、ちょっとしたサトルティを上手く配して、それをすべて手順の中に溶け込ませマジックの効果を最大限に高めていかれます。それを支える、大原さんの演技のクオリティの高さも素晴らしいのです。実戦を重視される大原さんらしく、すべてが観客本位に作られた作品なのです。
 
 その大原さんの最新作と聞いたら黙っている訳にはいきません。



とにかく、まずはこの動画をご覧ください。



 私は「おや、いつの間に」系の現象が大好きなんですが、これ程ビジュアルな現象はそうそうないでしょう。カード当ての最中に突然カードケースが出現して、その中から選ばれたカードが出てきます。

 まず、この現象そのものが素晴らしい。ご覧になれば一目瞭然ですよね? この意外性はちょっとあり得ません。方法論も理にかなっていて、一切無理がありません。そして、「最小限の練習で」実演が可能です。
 Tommy WonderさんとMichael Closeさんが考案された素敵な作品のエッセンスを、最大限に引き出してお使いになっていらっしゃいます。解説も明快でクレジットも申し分ありません。

 方法論に関して、奇術専門誌『Genii』2012年1月号に掲載されたルイス・オテロさんの「カードケースに飛行するカード」もお読みになると興味深いかもしれませんね。



 そして作品と同じくらい、この短い手順に対する考察が素晴らしいのです。もともと大原さんの知的で深い考察と洞察力には定評がありますが、このノートでも存分に味わう事が出来ます。 

 マジックが持つ怖さの一つに「(仕掛けが分かると)何となくわかった気になってしまう」点があると思います。上記で「最小限の練習」と強調して書いたのはここに理由があります。大原さんは、解説を細分化することで読者の理解を深める方策を取っていらっしゃいます。これは本当に素晴らしい。まさに「困難は分割せよ」の教え通りです。ここまで丁寧に教えられたら、何となくわかった気になって、本番で大失敗することはないでしょう。

 そして、ここでなされている「おや、いつの間に」系の現象についての考察も大変分かりやすい。以前、このブログにも書きましたが、あるコンセプトを言語化する作業と言うのは大変重要であり、それを実践されている大原さんは凄いと思います。コンセプトを理解して言語にする大切さを大原さんはご存知だから出来るのでしょう。

 本当に1つの作品を知ろうとすれば、どうしてもそのサブテキストを自分で地道に読みとらなくてはなりません。しかし、大原さんの作品はそれも同時に提供していただけるので、これほどユーザーフレンドリーなことはありません。(ちょっと上げ膳据え膳すぎるんじゃ!?と思うほど!!)



 このノートの販売方法も注目しています。今話題のgumroadというサイトを使っていらっしゃいます。
 このシステムの詳しい説明はこちらのサイトに任せるとして、要はアーティストが誰でも簡単に自分の作品やコンテンツを発売できるシステムです。

 まだ出来たばかりのシステムですから二次制作の作品の扱い方、剽窃問題、いろいろな課題があります。誰もが比較的簡単に情報発信できる利点もありますし、逆に敷居が低くなってしまったために、どうしようもない作品が広まって薄まってしまう危険性もあります。

 しかし、大原さんのノートはこれからのマジックにおけるgumroadの使い方の標準になるのではないか?と思いました。これからgumroadを使おうと思っていらっしゃる方は、このノートを基準にお考えになることをお勧めします。これくらい高水準の作品が発表されるようになったら、本当に豊かなコンテンツをこのシステムから私たちは享受できることになるでしょうね。



 正直言いますと、私は電子書籍が苦手です。目が疲れて仕方ないので、ディスプレイ上で文字を追う行為は出来れば仕事だけにしたいという気持ち(なので、電子書籍はほぼすべてプリントアウトして書籍にしています)、電子書籍を読むためのアプリケーションとストレージの問題(もう15年ほど前の電子書籍は読めなくなり始めていっています。そう思うと心配になりますよね)、電子書籍で薦めたくなるコンテンツが少ない、などなど、いろいろな原因があります。

 そうしたいろいろを差し引いても、この大原さんの電子書籍は素晴らしいです。装丁、レイアウトもセンスが良いですね。なにより、読みやすいのが素敵です。



 このノートの値段800円というのもバーゲンプライスですが、そのうち400円が東日本大震災への寄付金になります。寄付もできて、なおかつこんな素敵な作品が楽しめるなら買って損はないでしょう。

 私のようにWeb上でクレジットカードを使うのがお嫌いな方のために、大原さんは振り込みによる受付もされています。ここまで考えられているのは素敵です。大原さんですから、寄付金のその後もきっちり知らせて頂けると信じております。

 作品そのもの、考察も素晴らしいですが、私はあとがきの素敵さもお伝えしたいです。是非、最後までお読みになってください。



 久々に素敵な作品を楽しむことが出来ました。大原さんの粋な行動に感謝!!



・大原のこころみ 「Birth -誕生-」(大原正樹著、私家版、2012年)
定価 800円 こちらのページから購入可能。gumroadはこちらから。


プロフィール

yuki_the_bookworm  (a.k.a "べたねば")

Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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