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Genii 75th Birthday Bash : Day -1

(→Day -2からの続きです)



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Good Morning America

 歴史と権威を誇るアメリカの奇術専門誌『Genii』の創刊75年を祝って開催されたマジックの大会、Genii 75th Birthday Bashに参加するためにフロリダはオーランドにおりました。

 前日に衝撃的な宣告を受けての朝です。さあ、シャワーも浴びたから、準備をしておみやげの鞄におみやげを詰めに行こうかと行動を開始したとき、前田知洋さんから連絡が入りました。

「Yukiさん、朝食に行きませんか? そして、私も一緒に作業しますよ!」
「え!? 前田さん、今日はコンディション調整じゃなくて良いのですか??」
「体調は万全ですし、英語のブラッシュアップもしたいですし、問題はまったくないですよ!」

 それならば、こちらこそ是非是非!と朝食と労働(?)をご一緒しました。



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 ホテルのロビーにあるスターバックスでコーヒーとケーキをゲットして(そういえば、ここで働いていた女性の笑顔が凄く素敵でした!毎朝の癒しでした)、日課のヨーグルト(「毎朝ヨーグルトを食べる」というのが前田さんと共通の日課だったのがちょっと嬉しかった!)を買いに売店に行きました。

 売店のレジの女性が私たちに興味を持ったらしく「お二人はどこから来たの?観光??」と声をかけてきました。前田さんが「僕らは明日から始まるマジックの大会に来たんだよ。私は出演者で、彼はマジックの翻訳家で先生でもあるんだ」と話したら、「え!?それは凄いわ!私にも出来るマジック、教えてくれないかしら??」と興味深々に目を輝かせて聞いてくるではないですか!!

「前田さん、どうしましょう??」
「Yukiさんなら何の問題もないでしょう。一つお教えしたら良いじゃないですか?時間もまだあることですし」

 僭越ながら、彼女に1つマジックを見てもらって、そのマジックを教えました。最初はかなりぎこちなかったのですが、徐々に慣れてきて最後には一応形になって一安心。前田さんも横でニコニコ見守って下さいました。

 「わぉ、本当にありがとう!!感謝するわ」

 それからこの売店に買い物に行くと、彼女は凄く親切にしてくれました。こっそり並んでる順番を早くしてくれたり!
 
 なんか照れくさいけど、ちょっぴり嬉しかったです。



 そして9時になり、大会本部の部屋に行きました。昨日の夜は前田さんに「あれ、ここがディーラールームなんですかね?? 狭いですよね…」とお話ししたのが大間違いだったと気づくことになります。

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 これが大会本部の部屋で、テーブルに並べられたおみやげの数々と部屋の中央に積み上げられた鞄の箱の量に圧倒されます。そして、凄い顔ぶれの方々が部屋に三々五々集まってこられます(詳しくは後ほど)。

 9時集合なのに、一番遅れてきたのがRichardでした。

「ごめん、ごめん。皆さんおはよう! さあ、始めようか!」
「Richard、今日は何セット作るんだい?」
「とりあえず、800セット。15時までにセットするよ!!」

…へっ!?Σ(°□°;) 間に合うのっ!?



giobbianddustin.jpg
DustinさんとGiobbiさんと一緒に。

 皆さんが席について、作業主任のDustin Stinettさん(マジックの歴史家で、私が大好きな批評家のお1人。Genii誌ではDVDの批評を担当していらっしゃいます)が「さあ、労働者の諸君。作業を開始するよ! 作業が止まりそうになったり、質問があったら挙手をするように!」と開会を宣言しました。まさにトヨタの「ジャストインタイム生産システム」です!

「Yukiは、この3冊のパンフレットをこのポケットに入れるんだ。すべて沢、ディングル、アンドゥラスの順にセットされてるから、沢が目印になるよ。過不足ないように入れて行ってよ!机の山にあるパンフレットが無くなったら、俺を呼んでくれ。補充するから」と説明を受け、作業開始。



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 どうですか、この豪華な作業メンバー。

前田さん、天才クリエイターであり歴史家のJim Steinmayerさんご夫婦、Tim Tronoさん、Genii Forumではお馴染Nathan Coe Marshさん、キッズショウの第一人者David Kayeさん、この写真には写っていませんが、イギリスの権威あるマジック・クラブ“The Magic Circle ”の機関誌『The Magic Circular』誌元編集長Matthew Fieldさん、掲示板Genii ForumのコーディネーターBrad J. Aldridgeさん(本職は芸術家で、サンフランシスコにあるContemporary Jewish Museumの司書でもあります)などなど…本当にトンデモナイ方々ばかり。

 そして、私の隣には…

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Tom Stoneさん!

 凄く大好きなマジシャンの1人で、理論と実戦のバランスが絶妙なんですね。『Genii』誌に連載されている“Lodestones”という記事は示唆に富んでいて、このまま行けば将来的に亡き天才Tommy Wonderさんのようなマジシャンになるのでは?と思っています。そうお話ししたら「そんな、無理無理!」と仰っていましたが、果たしてそうでしょうか? とにかく、凄く親切で素敵な方なのです。
 ストーンさんの2冊の著作(これこれ)は、今まで電子書籍で出版された著作を集めて改訂したものなのですが、どなたの書架にも無くてはならない著作だと思います。



 皆さんワイワイとマジックの世界の噂話からマジシャンの悪口(!)まで、しっかりしゃべりながらもしっかり手を動かしていきます。「(某奇術専門誌の編集長)、参加すれば良いのにさー!」っていうのは、皆さんが言っていました(笑) Richardも「おれ、彼が開催してる大会には、ちゃんと参加してるんだけどね。残念だよなぁ」なんて返していました。
 
 所々ラインが止まるとその一番最後でチェックをしているRichardは「早くくれ~、仕事をくれ~♪」と歌い始め、皆さんしっかりおみやげをチェックされるので1か所でも違っていたら「クォリティーコントロール、何やってんの!!」とDustinさんを呼びつけて問題解決にあたります。
 Stainmayerさんは「うん、1時間当たり150個か。じゃあ、時間内に大丈夫だろう」と計算しながら、ラインの動きをしっかり管理されます。
 とにかく賢い方ばかりなので、何か問題が起こればすぐにラインを改善、時間短縮に動く様子は凄いの一言でした。

 それ以上に今この部屋にいらっしゃる皆さんの普段の仕事を思えば、なんて工賃の高い作業なんだろう!と思いました。一流の場所での稼ぎ頭ばかりですからね。昨日Richardは「このおみやげ、350ドル以下じゃ売れない」と言っていましたが、工賃を入れたら確実に2000ドルを超えることでしょう!



 そんな中でも、いつもGeniiのオフィスを切り盛りするMargaretさんは部屋を行き来して大忙し。どうしてかと言われたら、大会に関する大量の問い合わせと共に大会の前日でも大会申し込みが送られてくるからです。

「Richard、どうするのよ! これでさらに12名参加者が増えたわよ。おみやげ足りるの!?」

 この不安は当たって、後に一部のおみやげが足りなくなって慌てて近くのFedEx Office(Kinko's)に行って急遽印刷しにいくこととなりました。

 後で分かったのですが、この大会の最終参加人数は全部で820人強。初めてのコンベンションにしては、凄く良い人数だと思います。それ以上に、最近のコンベンションの中では、かなり集客した部類に入るでしょう。



 そして、ランチ。時間が無いので、直結しているFlorida Mallのフードコートへ。前田さんとトム・ストーンさんとご一緒です。

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これで9ドル

 アメリカにいると、すごくインチキくさい中華と日本食が妙に美味しく感じるのは何故だろう、何故かしら??

 写真を撮り逃してしまったのですが、このモールの中心には「WASABI」という名前の回転寿司のお店がありまして。妙にオシャレなんですが、ほとんどが「カリフォルニア・ロール」みたいなお寿司ばかり。それにしても、埃が舞い散るショッピングモールの中央で道を歩く人たちに観られながら回転寿司を食べる感覚は良く分かりませんでした!

 そういえば、アメリカではPsyの“Gangnam Style”って本当に流行っていましたね。これから東海岸から西海岸までいろんなお店で耳にする事になります。このモールも例外ではなく、フードコートのディスプレイで一日中ずーっと流れていました。



 ランチが終了して、それからの皆さんの頑張りで14時過ぎには見事に作業終了。この日から始まる“アーリー・レジストレーション(一日早い受付)”に見事に間に合いました。

 前田さんと私も早々にレジストレーションを終えて、時間があるので前田さんがショウとレクチャーに必要な小物を探しがてらモールの散策をすることにしました。

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太陽がまぶしい!良く考えたら今日初めて日光を浴びました。

mall.jpgshop.jpg
このスカルのキングのTシャツ、すごく素敵でした! 今になって買っておけば良かったと後悔。

 とりあえず、前田さんが必要な品々も手に入り、一旦ホテルで休憩。



 アーリーレジストレーションが開始され、ディーラールームが開きました。そこでちょっとだけブースを覗きに行ってみました。

 …とは言うものの書籍(特に古書)にばかり目がいって、どうも商品そのものに興味がほぼ向かず。最近はずっとこんな調子です。このブログの右欄リンクにもあるH&R Magic Booksさんともう一軒の本屋さんに入り浸っていました。その中でも、いくつか気になって手にとった商品がありました。

RFA Production : 店主のTony Millerさん、大会の数週間前に心臓手術を受けられたばかりなのに参加されていて皆さんビックリ。いろいろ面白かったのですが、ライジングカードのMOFOと、新製品の"QUick Loader"という本当に早くカードを仕込める「財布に通うカード」が非常に良かったです。

Jeff Pierce:新著の“The Cardwarp Tour”が素敵でした。最近、あるマジシャンの方と話していた時「Card Warp」って結構見過ごされてると意見が一致したことがありまして。この本に掲載されていない素敵な手順もいくつかあるので決して完全版ではないですが、この本はその再評価に良いのでは?と思います。

Kozmo Magic:指輪のマジックで有名なGarett Thomasさんがデモをされていた、この指輪のマジックこのコインマジックが非常に面白かったです。
 そういえば、スクリプト・マヌーヴァ社からも彼の代表作「Ring Thing」の日本語版が発売されましたね。これもおススメです!

BJW Magical Jewelry:典型的なマジックのアクセサリーと違って、洗練されたアクセサリーが多いです。そして、このお店ではとある有名な仕掛け付き指輪をオーダーメイドで作ってもらえるんです…が、それはまた別の話し。

SUBDIVIDEDSTUDIOS INC:ここの木工製品、鞄に余裕があったら持って帰りたかったです。手で触ってきましたが、加工、仕上げ、すべてがアメリカ製品とは思えないほど(失礼!)非常に丁寧な仕事でした。

 あと2軒、気になったお店と目当てだったお店がありますが、それは次のエントリーに回すことにします。



 ディーラールームでいろいろ観ていたら、アーリーレジストレーションを終えた方々が続々と入っていらっしゃいました。すると、本当に久しぶりにお逢いする方々がいっぱいいらっしゃって、次々と声をかけてくださいました。
 今回のこの大会の凄い所は、アメリカ全土から著名なマジシャンたちが出演者では無く、参加者として沢山参加されているんですね。この参加者だけでもあと2回はマジックの大会を開くことができるくらい。

 この日お逢い出来たのは…

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まずはDan Garrettさん。私が学生の頃に通訳をさせていただいた時から考えると、もう20年くらいお逢いしていませんでしたが、すぐに私を見つけてくださいました。最初の一言が「Yuki、痩せたねぇ!」 
 嬉しい事に今回のアメリカでは痩せたと言う反響が非常に大きくて凄く嬉しかったです…ある方を除いて。この話は後のエントリーで詳しく!
 素敵なマジックをいくつか見せていただいたり、一度お茶を飲む機会もあって凄く嬉しかったです。

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 つぎに、Bill Mullinsさん。「え?どなた??」という方が多いかと思いますが、歴史家で凄いリサーチャーです。とんでもない新事実をとんでもない文献やソースから見つけ出す天才で、私の憧れの1人でもあります。今回は前田さんと一緒にいろいろお話しを伺うことができて嬉しかったです。
 おみやげについてきた、Jerry Andrusさんの目の錯覚を利用したガジェットについてお話ししていたら、その原理を応用した簡単に出来る目の錯覚をその歴史と共に教えていただけました。呑み屋さんで演じるには丁度良いなぁ、と思っております。

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これはオーランド国際空港での別れ際の写真

 そしてRichard Hatchさん。上記のH&R Magic Booksの創業者であり、歴史家であり、素晴らしいマジシャンです。特に近代奇術の祖、オーストリアのJohann Nepomuk Hofzinser と伝説のギャンブラーS.W.Erdnaseの研究では第一人者であります。ハッチさんとも素敵な時間を過ごしたのですが、それはおいおい。



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 この日の晩御飯はFIVE GUYSのベーコンチーズバーガー、全部載せ(ドリンクとポテトのセットで8ドル)。このお店もその場で冷凍じゃないパテを焼いてくれるから、時間がちょっとかかりますが好きなのです。これだけで、もうお腹いっぱい。こう思うと、某チェーン店のハンバーガーって……と思わざるを得ません。



 晩御飯も終わって、毎朝のヨーグルトと前田さんがレクチャーにお使いになるレモンを探しに近くの大型スーパーTARGETまで買い物に行ってから一旦ホテルの部屋に無事帰還。
 前田さんといろいろお話しをしていたら、急に携帯電話が鳴りました。誰だろう?と思っていたら、先生Jamyでした。「おぉ、Yuki! やっと着いて、今ロビーのバーでみんなと呑んでるけど…」という言葉を聞くか聞かないかのタイミングで、前田さんの「行ってらっしゃい!」の声を背中に聞きながら部屋を飛び出していました。

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ほぼ毎晩呑んでいたメンバーの図
(右からKopfさん、私、Jamy、DJさん)

 ロビーにはモヒートを呑んですでにご機嫌な先生Jamyとその生徒さん、JEEFのリーダーD.J. Grotheさん、この大会の目玉のお1人、テキサス在住の伝説のマジシャンBob Whiteさんのお弟子さんで凄腕マジシャンでもあるJared Kopfさん、そしてEric Meadさんがいらっしゃいました。

 今回の訪米で一番嬉しかったのは、事前に先生Jamyから「今回の大会はMCもするし、レクチャーもある。本当に多くの友人も来る。一緒の時間を過ごすのは限られた人数だ。時間も限られている、でも、それでもYuki、お前はシャイになるな。いつでも何も言わずに俺の横にいろ。知らない人がいたら全部紹介してやる。そして、一緒の時間を過ごすんだ、いいな?」と凄く男前なことを言って頂いたこと。この大会の期間中、本当にそうしてもらったのは感謝以外の言葉がありません。

 先生とお逢いしたのは1年ぶりですし、いつもメールとSkypeでやりとりしているのですが、それでも直に逢うというのは違います。ジーンとひそかに感激していました。



mucklessmuck.jpg

 今回出演者以外の方で感激した方が4名いらっしゃって、Kopfさんはそのお1人。以前からいろんな奇術専門誌の記事やレビューを拝読して、その分析の鋭さに感銘を受けていたのですが、お逢いしてその破壊的な面白さと剃刀の切れ味のような賢さに圧倒されました。さらに、私が大好きな数冊の小冊子の著者でもあることが今回分かって、なんか納得。まず、何と言ってもKopfさんご本人がめちゃくちゃ面白い方なんですね。

 上の写真は、去年発売されたKopfさんの作品『Muckless Muck』。ギャンブルのテクニック“Muck(手札をすり替える技法)”の話をしながら行う、3段の信じられないカードの交換現象です。

 Kopfさんの凄い所は、Bob Whiteさんという名人から授かった古典への敬意と斬新なアイデアを見事に融合されるところ。この作品にもその凄さが存分に発揮されています。テクニックの確かさと抜群に冴えきったアイデア、古今東西の文献にあたるバイタリティ、すべてが素晴らしかったです。これでいてメンタリズムに関して鋭い分析とアイデアを持ってるなんて。ちょっとあり得ません。



 とにかく、このメンバーが揃ったら喧々諤々しゃべる、しゃべる。しかも、その間に“F*ck”という言葉ががんがん挟まり、面白い裏話から最近のカルチャーについて、そしてマジックのアイデアが所狭しと飛び交います。下手に口がはさめません。

 さらに嬉しかったのは、KopfさんもMeadさんもDJさんも「お前のこと、良く知ってるよ!」と言って下さったこと。先生Jamyがいろいろ吹聴してくださっていたようです。大好きなマジシャンの方に「Jamyから聞いたあのアイデア、賢いね。見せてよ」なんて言われて、天にも昇る気持ちになりました。お酒もガンガン進むってものです。

 久しぶりの嬉しい再会と初めましての挨拶とカードとコインの応酬で、あっと言う間に夜は更けていきました。

Day 1 Part 1につづく) 
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Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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