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Genii 75th Birthday Bash : Day 2 (Part 1)

(→Day 1 Part 2からの続きです)

 奇術専門誌『Genii』の創刊75周年を記念して開催されたマジックの大会、Genii 75th Birthday Bashに参加するためにフロリダはオーランドにおりました。無事に大会2日目を迎えることができましたが…。



 日本を出発する前、今回のこの大会の出演者であるクロースアップ・マジシャンの前田知洋さんとSkypeでお話していた時のこと。

「前田さん、大会では宜しくお願い致します!」
「こちらこそです」
「何か私に出来ることがあったら言って下さいね」
「本当ですか??」
「もちろんです!」
「ボク、Richardに『Yukiさんが参加しなかったら、この大会に参加しないよ!』って言ったんですよ」
「…えっ!?Σ(°□°;) 私で良いんですか??」

 今日の午後、前田さんが登場するクロースアップ・ショウがあります。前田さんのお手伝いをさせて頂くことになって、朝からドキドキしていました。

 今までいろいろなマジックの大会やレクチャーで多くの海外のマジシャンの通訳などでお手伝いさせて頂いたのですが、今回は訳が違います。

 この大会の凄い所は、マジックの目利きでもあるRichardが厳選したマジシャンが登場している点です。観客席にも素晴らしいマジシャンが多数いらっしゃる中でも、そのマジシャンたちが本当に観たいマジシャンを厳選していたのです。

 前田さんもその中の1人として選ばれて、言わば日本の看板を背負っている訳です。しかも、海外のマジックの大会に出演されるのは7年ぶり。一番近年では、2005年にイギリスで開催されたThe Magic Circleの100周年記念大会とアメリカで開催されたマジックの大会くらい。
 アメリカの若い世代のマジシャンにとっては、前田さんは本や雑誌で読んだ「偉人」のひとりであり(若い参加者の方が、実際にこういってらっしゃいました!)、演技もYouTubeで観た程度のもの。
 Richardの奥さまLizさんの言葉を借りれば「Tomoさんのアメリカでの再デビューになるかも!」ということで、参加者たちの期待は大変高いものでした。

 もし、自分が粗相をして前田さんのショウやレクチャーを台無しにしてしまったらどうしよう…その不安でいっぱいでした。



 ここ数日の日課、ゆっくり朝食をとって、ホテルの外に出て太陽の光をいっぱい浴びながらちょっぴりお散歩をして、ホテルの庭でゆったりいろんなお話しをしておりました。

「Yukiさん、僕は午前中はゆっくり過ごすことにします。Yukiさんはユリ・ゲラーさんのレクチャーに出られたら、後で話を聞かせてください。話のタネにもなりますし」
「分かりました、では午前中はそうすることにします。ショウのリハーサルは13時からでしたよね? ちょっと早めにランチにしましょうか?」
「そうですね、そうしましょう。ユリのレクチャーが終わった頃にロビーに行きますね」
「了解です!」

 9時から始まるユリ・ゲラーさんのレクチャーに参加しました。



 ユリ・ゲラーさん…そう、皆さんもご存知のスプーン曲げで有名な、あの「超能力者」であります。今でもその真贋論争は世界中で巻き起こっています。少し前ですが、こんな記事もありました。

 私の幼い頃、ユリさんは完全なTVスターでした。彼が登場する日本テレビの「木曜スペシャル」などの番組をスプーンや壊れた時計を持ってワクワクしながら見ていたものです(1974年の3月7日に放送されたのが最初だったようです。私は5歳ですね)。そして、スプーンは曲がりませんでしたし、時計も動き出しませんでした。

 ユリさんは今でもTVスターであります。先日はフジテレビの人気番組「ほこ×たて」に登場して「絶対に曲がらないスプーン×どんなスプーンでも曲げる超能力者」としてスプーン曲げにも挑戦されています(こんなニュースもありました)。このときも、結局スプーンは曲がりませんでした。

 今でも世界中で話題になるユリ・ゲラーは、一体どんなレクチャーをするのか?…大会の初日から参加者たちの間で話題になっていました。

 9時前から会場はほぼ満員の状態でした。部屋の中には超能力などへの懐疑論者たちも沢山いらっしゃいました。誰もが興味深々で9時が来るのを待っていました。

 そして、レクチャーが始まりました。



urilecture.jpg
舞台中をエネルギッシュに歩き回られるので、写真をうまく撮れません

 まずは自分の名前の話しから(“ユリ・ゲラー”っていう発音では無く、実際には“オリ・ゲラー”と言う感じに近い発音)始まって、自分の生い立ちから現在に至るまでの人生を様々な映像や資料を見せながら、自分の人生経験と成功譚を絡めて“夢の大切さ”と“自己実現”のために“人に影響を与えるような何かをしなくてはならない”ということについて、そのための施策を「広告」「マーケッティング」などの観点からユーモラスにかつ情熱的に語った90分間でした。自分が今までした失敗の数々まで、包み隠さず語りつくしました。

 途中でメンタリズムを3つ演じられたのですが、あれ程「完璧な」メンタリズムのショウを観た事はほとんどありません。あの感じで演じられたら、「超能力」の存在を信じる人がいたとしてもなんら不思議ではありません。 これはライブで演技を見ない限り、どれだけ私が言葉を尽くして文章にしたとしてもあの感覚は伝わらないでしょう。
 もしユリさんの演技をYouTubeなどの動画で観て「演技を見た」気になったとしていたら、それは大きな間違いです。
 エンターテインメントとしてのユリさんのショウは、本当に素晴らしいものでした。

 もう今は見えなくなってしまっていますが、この大会のウェブサイトには“Uri Geller Will Mesmerize You(ユリ・ゲラーは、あなたを魅了するでしょう)”という宣伝文句が掲載されていたのですが、まさにその通り。参加者の多くは彼に完全に魅了されました。なんと、2回もスタンディング・オベーションが起こりました。

 彼のレクチャーのレビューを読んだり、参加者の方のお話しを伺ったりしますと、皆さんとても感激されています。

 私は?と言いますと、凄く複雑な心境だったというのが正直なところでした。

 以下に書くことは、あくまでも私が素直に思った感想です。私の考えを読者の皆さまに押し付ける気も、特定の誰かを毀損する気も毛頭ありません。それを前提にお読みください。なんなら、読み飛ばされても構いません。




uriandme.jpg
まさかのツーショット!

 確実な事を言いますと、ユリさんは本当にナイスガイでした。そうとしか言いようがありません。

geller.jpg

 まずは体格。66歳とは思えない若々しさなのです。今でも確実に「色男」(ちょっと古い言い方ですが“ちょいワルおやじ”系ですね)の分類に入る容姿です(もともとモデルとして活動されていました。モデル時代の古い写真や広告は場内爆笑でした!)。

 写真やサインには気軽に応じ、誰に対しても本当に親しく語りかけ、相手の話や夢を真摯な態度で聞き、それに対して自分の経験を絡めてテンポよく身ぶり手ぶりを交えてアドヴァイスを与え、「質問があればメールで送ってくれ、すぐに答えるから」と言ったら本当にそれを実行されるのです。
 この日はこの後5時間近くロビーに居続けて、その間多くの参加者からの質問などに対応されていました。そのサービス精神には誰もが驚いていました(ホテルのスタッフさんまでビックリされていました!)。

 私とのツーショットの写真をご覧頂ければ分かるのですが、相手に対して物凄く近づいて話されるのです。印象としては、自分のフィールドにグッ!と入っていらっしゃった感じです。「スター」自らこんなフレンドリーに対応されたら、誰もが心をギュッ!と掴まれてしまうでしょうね。
 実際にお話しさせて頂くと、話には凄い説得力があるように感じましたし、非常に信頼のおける人物である印象を受けました。

 そして、それ以上に周囲の人をうまく巻き込む術と人心掌握術に非常に長けた方なんだなぁ、と思いました。

uriatlobby.jpg
こんな感じで、いつもエネルギッシュ



 レクチャーの内容は、上記に書いた事を読んで頂ければご理解頂けると思いますが、よくある「自己啓発セミナー」に非常に近い内容であるように感じました。リンクしたWikipediaにもありますが、こうしたセミナーには問題点があまりにも多過ぎます。

 基本的に自己啓発というものの多くは「それを主催している人物のキャリアアップと生計を立てる」ためのものであって、「それに参加している人々のキャリアアップや人生を向上させる」ためのものではないと私は思っています。

 今、SNSの世界を中心に怪しい自称「コンサルタント」が乱立して、書店には自己啓発本が山のように積み上げられています。しかし、誰も「本当に成功する方法」など書いていません。たとえばデール・カーネギーさんなどによって昔からすでに語られ尽くされた内容を焼き直して、そこに最新の情報を加えているだけです。

 仮にそこに「本当に成功する方法」が書かれてあったとしても、講演会で語っていたとしても、それはその著者やコンサルタントが成功した(ある意味特殊な)方法だっただけであって、その方法が誰にも当てはまるものではないことは明らかです。世の中に成功者が雨後のタケノコのように出現しない事実を見たら一目瞭然のはず。
 多くの場合こうした「自己啓発」の著者やコンサルタントは、社会的に成功していないケースが多いように思います。逆に「この本」で名前を売って有名になってやろうと言う商売っ気だけを感じます。

 レクチャーの中でユリさんは「自己実現しなくてはならないのは、有名になって金持ちになれば何でもできるから」と語りました。確かにそうかもしれません。お金はどれだけあっても困りませんし、名声があれば言う事はないかもしれません。しかし、それがその人の人生の質を向上させるのでしょうか?

 最近、自己啓発の甘言に酔ったような、何も基礎力や実績がないのに「有名になりたい」とか「大きな夢に向かって活動する」などとSNSなどで語る若い世代が多くの分野で散見され、またそれに対して無責任に励ます大人もいますが、大変危険なことだと思います。
 最近教えて頂いた「まとめサイト」にあったこの記事を見れば、こうした行動様式がどれだけ薄っぺらいものか一目瞭然でしょう。私がこよなく愛する編集者であり著述家の松岡正剛さんのような重厚な「知の巨人」が今後どれだけ現れるのか…どうなのでしょうね?

 そして、こうした若者たちがその夢に破れた時、有名になれなかった時、金と名声を得られなかった時、いったいその後の人生を如何に進んでいかれるのでしょう? こうした無責任な大人たちが、そういった若者に対する責任を取るとはとても思えません。
 私の畏友が「あまり良くない創作物に対して必要以上に“イイね”と言う人たちというのは、その人たちにとってその製作者が“都合がイイね!”ということなんだと思うのです。都合よくそいつらを利用してやろう、と思っているとしか見えないですよね」と言った言葉、かなり的を射ているような気がします。

 ありがたいことに、今まで数多くの一流と言われる演技者や研究者にお逢いすることができました。その皆さんに共通して言えることは、自分の力を客観的に認識しながら、地道な努力を正直に愚直に長年にわたって楽しんでされてきた、ということです。そこに曖昧さや抜け道はないに思えます。そう、A地点からB地点までの一番の近道はあくまでも直線距離であって、そこに曖昧さや抜け道はないのです。

 アメリカの有名なゲームショウの司会者Monty Hallさん(確率論の「モンティ・ホール問題」で有名ですね)が語ったと言われている言葉が頭から離れません。

"Actually, I'm an overnight success. But it took twenty years.(実はね、私は一夜にして有名になったんだ。でも、それには20年かかったよ)"




 何より「…」と思ったのは「超能力」という「力」の真贋については一言も語らず、その「力」を肯定する(決してこう話さず、あくまでも印象を与える)形で話を進めていくのです。これは前のエントリーでも書きましたが、非常に不誠実な態度ではないのか?と思います。
 ユリさんのショウは「エンターテインメント」のショウなのに、事実をニュートラルに伝えなければならないはずの「マスメディア(特に報道)」の世界において「自分の持っている力だ」として言ってしまうのは、どう考えても心の中にモヤモヤが残ります。少なくとも、その「力」を客観的に検証する必要があるでしょう。

 非常に驚いたのは、凄く有名で非常に論理的で賢いとある有名なマジシャンさんでさえ諸手を挙げて「彼の力は本物だ」と私に語ったこと。心の中で「ちょっと待って下さいよぅ…」と思わずつぶやいてしまいました。



 ユリさんのレクチャーの後、心理学者で懐疑論者のRay Hymanさんに少しお話しを伺ったのですが、Hymanさんはもっと過激な意見を仰っていました。完全には同意しかねたのですが、それでもなんとなくその意見に納得がいきました。
 これ以上のお話しは、直接お会いした方にお話しするとしましょう。

 もちろん、夢を持つことは大切ですし、自分を奮い立てなければならないことも生きていれば何度もあります。しかし、少なくとも私はユリさんが今回この会場で行ったレクチャー内容からはちょっと距離を置きたいと思います。
 たとえ、彼が幼い頃のTVスターであって、素晴らしい演技者であって、いかにナイスガイであったとしても。



 もう一度:これは、あくまでも私が経験したことに関する私個人の素直な感想です。私の考えなどを読者の皆さまに押し付ける気持ちや特定の誰かを毀損する気は毛頭ありません。読者の皆さま各人で、良くお考え願えたら幸いです。




 ロビーに出たら、前田さんがいらっしゃっいました。

 午前中は会場のホテルショッピングモールが直結している入口の横に合ったエステサロンでマッサージを受けられて、非常にリラックスされていたそう。私も気持ちを切り替えて、ショッピングモールでランチに!

day2lunch.jpg
この日は、なんちゃってチャイニーズ!
味のない炒飯を食べた事はありますか?

 食事を終えて帰ろうとした時「Yukiさん、ここのソフトクリームってご存知ですか?」と紹介されたのがDairy Queenというお店。
 知らなかったのですが、東京を中心に根強いファンが今でもいらっしゃるハンバーガーとソフトクリームショップで、2004年に日本から撤退していたそう。名古屋にもあったみたいですが、どうやら郊外にしかなかったみたい。

「甘いもの大好きなYukiさんなら絶対にご存知かと思っていました」
「食べた事がないので是非トライしてみたいです!」
「作り方が変わってるんですよ、是非観て下さい」

icecream.jpg
じゃーん!

 これ、コーンの中に独特な形になるようにソフトクリームを載せたら、そのまま液状のチョコレートシロップの中にドボン!とディップ。

「前田さん、これ、クリームが溶けないんですか!?」
「まあ、Yukiさん、良く見てて!」

 チョコレートシロップはほぼ常温で、そこの中にソフトクリームを漬けるとチョコがコーティングされた状態になって、なおかつソフトクリームに冷やされてパリパリに!

 ソフトクリームそのものもコクがあって、非常に美味しかったです。その後、このDQを街で見かけるとついソフトクリームを注文することになりました。日本から撤退したことを残念がる方が多いと言うのも非常に納得。

 さあ、ついにクロースアップショウの時間が近づいてきました!

(Day 2 Part 2に続く)
プロフィール

yuki_the_bookworm  (a.k.a "べたねば")

Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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