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世界で一番不思議なカードマジック(解答編)

ishida_and_jamy.jpg

 「世界で一番不思議なカードマジック(Part1)(Part2)」には、多くの反響をいただきました。いつもお酒が美味しそうなあすぱらさんにもご紹介いただいたりして、エントリーをアップしてから2日で1000アクセス近くもあり、最初は「またFC2ブログ、不調なのかなぁ?」と思ったほどでした。
 ここから先の話は、予め上記の2つのエントリーをお読みになってからご覧ください。そうでないと、一体何のことやらサッパリ分からないと思います。

 私が体験したバリー・リチャードソンさんによる不思議なカードマジック『エニーカード・アンド・エニーナンバー』(通称『エニエニ』)についての考えを送っていただいた皆さま、本当にありがとうございました。
 
 半数以上の方は「私には分かりません!」と潔いほどキッパリおっしゃっていました。大丈夫です、私も同じくまったく分かりません!
 あすぱらのt_motonariさんをはじめ、何人かの方は「“クラブの5”と“23”という数字は変えようがないので、たぶん“即興”でそうなるように仕組まれたのでは?」とおっしゃっていました。
 一時期、私も『エニエニ』について考えたとき、即興で一番のラッキーパターンを見たのかなぁ?とも思いました。でも、あの演技の状況では確実性に乏しくなるのではないでしょうか。もし、突然ケース・バイ・ケースに演技がシフトしたら、たぶん私にはその匂いが感じられていたでしょう。

 『エニエニ』のベストの方法論というのを、以前からつらつら考え続けています。今のところ、たぶんスタック・デックとサクラ(秘密の協力者)を組み合わせた方法がベストに限りなく近いのでは?と思っています(本当はもう1つ方法があるのですが、専門的な話になりますし、パブリックな場なのでOff Topicsとさせていただきます)。

 その1つの解法は、独断と偏見でエドワード・マルロー氏の方法だと思います。ラスベガス在住のカードの名人、アラン・アッカーマン氏が1996年に発表したレクチャー・ノートや、奇術専門誌『Toy Box Vol.9』(2008年)に掲載された石田隆信さんのコラムに紹介されています。

 現象(の見立て)はこうです。2人の観客(それぞれAさん、Bさんとしましょう)に手伝ってもらいます。テーブルの上にデックを置いて、まずAさんに好きな数字を言ってもらい、次にBさんに好きなカードの名前を言ってもらいます。演者はデックを取り上げてその枚数目までカードをめくっていくと、Bさんが指定したカードが出てきます。
 演者はもう一度やってみようと言い、次はAさんに好きなカードの名前を言ってもらい、Bさんに好きな数字を言わせます。演者は再びデックを取り上げて、その枚数目までめくっていくと、Aさんが指定したカードが出てきます。
 演者はAさんに向って「どうして私が先に指定しないといけないの?って思ってらっしゃいますね? 分かりました、あなたには後で指定してもらうことにしましょう」と言い、今回はBさんが好きなカードを言い、次にAさんが好きな枚数目を言います。三度演者はデックを取り上げ、Aさんが指定した枚数目までめくっていくと、Bさんが指定したカードが現れます。

 この3段の手順は良く考えられていると思います。観客が思うであろう方法論をそれぞれの段落で打ち消しあっているので、知らずに見たらビックリする手順のはずです。
 但し、残念なことにこの情報化社会の中で、この方法論は周知されてしまいましたので、そのものズバリの使い方では、もう一般の方にしか通用しないでしょう。

 残念ながらバリーさんが実際に行なった方法は、今も深い闇の中です。未発表の作品ですから、もし私が知っていたとしてもここに書くことはできません。
 では、私が今も信じられない、5人の方々が異口同音に語った解法をお話ししましょう。この解法、お一人の方が送ってくださいました。関東地方在住の匿名希望のあなた、正解です!

 一番最初にお話ししたのは、大阪在住の素晴らしい奇術研究家である石田隆信さんでした。石田さんの知識の深さは、マジックショップ大手フレンチ・ドロップ社のウェブショップ内での「連載コラム」(同社のトップページにリンクが張ってあります。コラムをお読みになられたい方は、左欄のコラムの個所をクリック!)や、奇術専門誌『Toy Box』などへの寄稿原稿をお読みになられたら一目瞭然です。しかも、演じられるマジックが大変素晴らしいことでも有名です(プロと肩を並べられる程なのです)。その凄い作品と演技によって、優れたクリエーターに贈られる『厚川昌夫賞』も受賞されています。
 絶版になってしまったために今では入手困難なのですが、石田さんの初作品集『Super Self-Working』(RRMC MAGIC SERVICE刊、1993年)は、すべての奇術愛好家が必読だと思います。
遊び心と石田さん一流の不思議なマジックが満載の作品集です(さらに、石田さんの似顔絵も満載です!)。皆さんがお持ちの「セルフワーキング・マジック」に対する考え方が、きっと変わります(上記フレンチドロップ社のサイトでも、この本について触れられています)。

 私がニューヨークから帰国してすぐのことでした。あるマジックのコンベンションで久しぶりに石田さんにお逢いしました。私が体験した不思議なマジックについて、石田さんならば何らかの方向性を感じられるのでは?と思い、先ほどのエントリーについての話を聞いていただきました。

 「うーん…」と石田さんはしばらく考えられ、おもむろにこう話を切り出されました。
 「これはいわゆる『エニーカード・アンド・エニーナンバー』じゃないでしょう。yukiさんが折角日本からいろいろ勉強しにきているので、遠方からの親友をみんなでビックリさせたかったんじゃないでしょうか? Jamyとバリーさんは、予め打ち合わせていたんだと思いますよ。たぶん、私が先生だったとして、若い方が慕ってはるばる飛行機でやってきてくれたなら、本当に嬉しいと思うんですよ。
ならば、何か一生の想い出になるようなことをしてあげたくなると思いますよ。絶対そう思います」

 思いもよらなかった解答を伺って私は「なんですと~!」と心の中で叫びました。

 でも、数字もカードの名前も私が自由に決めたんですよ!…と興奮気味に石田さんに言うと「それはね、yukiさんの知識を逆に利用したんだと思いますよ。この数字はやめようとか、あのカードはやめようとか二人で話をしていたんでしょう? そうして、徐々に選ばれる数字とカードの範囲をかなり狭めていたんですよ。いろいろなスタックを知ってる人であれば、普通そう言われたら、それらの数字やカードを自然に避けるでしょう。yukiさんの先生ならではのことなんじゃないでしょうか? 
つまり、yukiさんは首謀者であり秘密の助手であったJamyさんに一杯食わされたんですよ」

 そう言われたら…なんか、納得できるなぁ…。でも、でもですよ、先生Jamyは本当に正直者なのです。マジックではお互いひっかけあっていますけれども、実生活ではそうして人を担いだりということはまったく無いのですよ。前のエントリーで「私にはとても信じがたい方法」と書いたのは、これが理由なのです。あの日に私が体験した奇跡は、私と先生Jamyの信頼関係が産んだ奇跡なのかなぁ?? 
 今度は私が「うーん…」と考え込む番になりました。

 そして、この解法を話されたのは、石田さんだけではありませんでした。直近では名古屋の若きカードの名手、桂川新平さんにも「絶対ありえません! 秘密の協力者が居たんですって。yukiさんのために仕組まれたスペシャルなマジックだったんですって。賭けても良いですって!」と言われました。

 そんな、海外のマジシャンが友人を騙そうとそこまで手の込んだことをする訳がないじゃん!と思っていたのです…数年前までは。実は、ある体験をしてしまったのです。
 数年前、とある海外の奇術家の方に初めてお逢いしたことがありました。そこでとんでもなく不思議なメンタリズムを見せられたことがあったのです。私のことを知らなければ、絶対にありえない現象でした。しかし、その方は残念ながら私に尻尾を捕まれてしまいました。
 その方は、私が知っている別の海外の奇術家の方に連絡をとって、私に関するデータを集めていたようなのです。それがひょんなことから後で分かってしまいました。
 この出来事以来、急に石田さんがおっしゃったことに信ぴょう性が生まれたのでした。

 でも、それでも、私には信じられないのです。もしかしたら、謎は謎のままにしておくのが一番良いのかもしれません。
 
「秘する花を知る事。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからずとなり」
ー『風姿花伝』世阿弥著より
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Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
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