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リアル「夢のクロースアップ劇場」 OUR LAST・Here is one History ~クロースアップ・マジックの集い~

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 つい先日、金沢のイケメンバーマジシャン、ヤマギシルイ(通称:るいるい)さんから「yukiさん、IBM大阪リングのクロースアップの会、行きませんか?で、ついでにお茶でも飲みながら語りませんか?」とお誘いを受けました。

 IBM大阪リングと言えば、マジック界の重鎮、素晴らしい文筆家であり奇術研究家の松田道弘先生を中心にしたマジックの梁山泊として有名です。これは見逃す手はないと早速このお誘いに載らせていただくことにしました。

 著名な研究家であり演技者でもある、福岡康年先生に参加希望のメールを差し上げた時に「ブログ拝見しています。あなたのことは佐藤くんからも聞いています。『英語でペラペラマジック』も読みました」とお返事を頂き、自宅のPCの前で消え入りそうになるまで小さくなってしまいました!



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さあ出発!

 近鉄電車、実は結構好きでして。新幹線に比べたら1時間長くかかるのですが、ゆったりできますし、その間にゆっくり読書ができます!



お昼前に大阪難波に到着。そのまま梅田へ…。
…え?なにこのお洒落タウンは!!

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新しい大阪駅をヨドバシカメラの前から。こんな建物無かった!!

 以前のJR大阪駅が醸し出していた猥雑な雰囲気がまったくなく、大変綺麗に変身していました。そうそう、ゴールデンウィークに大丸梅田店がオープンしたり、その影響で人が多い事。待ち合わせ場所も人で溢れ、人混みが嫌いな私はこの時点ですでに泣きそうになる位な混雑。



 ヤマギシさんと、大阪の大学生であり若手マジシャンの保田純(通称:ジョニー)さんと無事合流して、早めのランチに。大阪と言えばこれでしょう。

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ビバ、コナもん!



 お二人ともTwitter上ではよくお話ししていますが、実際にお逢いしたのは初めてな訳で。それでも、まあ話が進む事。

 ヤマギシさんは美大出身で、いろんな才能をお持ちです。で、「ねえ、るいるいさん。そんなにいろんな才能を持っているのに、何故マジックを選んだの?」と質問したら、「だって、…」と返された答えに深く感激して、あ、そりゃ話が合うはずだわと納得した次第。

 ジョニーさんは物静かなナイスガイで、スペイン語を専攻されている大学生でもあります。丁度、大阪の超有名なマジックバー、フレンチドロップに出演され始めました。いくつか見せて頂きましたが、凄い。彼にお逢いする機会があれば、是非「ジョニー・チェンジ」をリクエストしてみてください。



 美味しいお好み焼きと焼きそば、とんぺい焼きを堪能した後、会場近くの喫茶店へ移動。先日るいるいさんから頂いた長い手紙を基に2時間以上濃ゆい話を熱く語り合いました。

 るいるいさんからの手紙の返事を書いていたのですが、A4のフォーマット20頁というあり得ない返事のボリュームになってしまい、こりゃお逢いして直接話した方が良いなぁと。私は基本的に与太話しか出来ませんので、お二人に楽しんで頂いていたなら良いのですが…。

 るいるいさんには、話の途中にいろいろマジックを見せて頂きました。正統派のマジックをさらりと非常に巧くこなされます。彼独自の鋭い考察と賢い解決法には舌を巻きました。

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私が感心したるいるいさんの表。レパートリーを表にまとめてらっしゃいます。これを実践しているのはヴァ―ノン、マイク・スキナー、私の先生Jamyくらいしか知りません。



 話している内にアッと言う間に開場時間を過ぎてしまい、慌てて会場へ。

 まあ、会場の濃い事と言ったら。だいたい70名位の方で会場は満員御礼。まず、その客席が凄い。東京からTonおのさかさんがいらっしゃいますし、関西を代表するプロマジシャンの深井洋正さん、凄腕クリエイターの岸本道明さん、益田克也さん、谷英樹さん、世界的に有名な若手コインマンのポン太the Smithさん、旧友Yuji村上さんなどのお歴々がゾロゾロいらっしゃる訳ですよ。

 で、Twitterでいつも遊んでいただいている広島の鍼灸院の院長さんのRuneさんや私がfacebookで知り合った方など、まあ、これだけよくぞ集まったなぁ、という濃ゆい客席なのです。ほぼずっとご挨拶で会場中を巡っていました。



 久々にYuji村上さんに逢って談笑。
 最近彼は面白い試みを京都で始めていらっしゃって、それについては次のエントリーで詳しく。
 
 彼の最新作「えにしのデック(仮)」が近日発売予定ですよ!これは要チェック。
 流行っている「ジェミニ・ツインズ」のバリエーションなのですが、カードの鬼才レナート・グリーンさんの「Stolen Cards」と並ぶ名演出だと私は思います。実際に使いたいですもん、自分なら。



 佐藤総さんに久しぶりにご挨拶。ちょいちょいお話しさせて頂いているのですが、お逢いするのは本当に久しぶり。かなり緊張されていたのでビックリ!疲れ気味と仰っていたのが気がかりでした。



 そして、スクリプト・マヌーヴァ社代表の滝沢敦さんと、日本屈指のフラリッシャーでありクリエイタ―であるArs さんとも初めてご挨拶させていただきました。



 観客が凄けりゃ、出演者もまた凄い。機関誌「スベンガリ」に登場する、時代を彩ったお歴々が続々と登場されるのです。

 司会は福岡先生でした。大変楽しい司会っぷりで、そのおかげでショウ全体がかなり盛り上がったように感じます。



 トップバッターは福岡先生。「いやぁ、タンと咳が止まらないんですわ!」という話の枕からのジョーク的なプロダクションと、素敵な10枚カードの手順を演じられました。10枚カードの手順と言うのは、ほぼクライマックスが無いのですが、福岡先生は上手い事あるマジックを組み合わせ、素敵なマジックにされていました。

 次に登場されたのが、林王子さん。若手有望株のお一人です。大変達者なスポンジボールの手順と、ガマ口の中に通うカードを演じられました。19歳とは思えない迫力と技量で、客席を沸かせていらっしゃいました。

 塩沢善一郎さんは、お名前は知っていたのですが、演技を実際拝見するのは初めてでした。虫の絵が描かれたジャンボカードを使った一致や予言のマジック(予言にも一工夫!)、カブトムシくんを使ったカードあて、そして素敵なバースディブックの手順を飄々とした感じで演じられました。最後に演じられたサロンでの「紙幣拡大機」の手順も凄く素敵でした。

 畑文明さんは「Best of Three Guys」というノートで作品を拝見した事があります。この日は指輪を使った素敵な手順を。非常に鮮やかでした。

 金沢の山崎“Cull”真孝さんは、色違いのカードを使ったアンビシャスカードと薔薇を使った不可能な封筒に通うカードを演じられました。山崎さんの洒脱な演技を拝見するのは2回目だと思うのですが、演技を大変細かい所まで考慮されているのが伝わって、大変好感が持てました。



 もう、ここまでで十分お腹いっぱいなんですが、この後の後半戦はさらに凄かった…。

 後半のトップバッターは、皆様ご存知の松田道弘先生。



 松田先生の文章と作品、本当に大好きなんです。マジックに関する文章に関しては“文化の香り”を感じるのです。勿論、亡き高木重朗先生も素敵な文章をお書きになられたのですが、どちらかと言うとマジックの方に偏っているかなぁ…と感じます。

 私がローティーンの頃から拝読させていただいていた『奇術のたのしみ』『トリック専科』などの読み物から、石田天海賞の本『松田道弘作品集』といった専門書まで先生のお名前だけで即ゲットしてしまうようになりました。

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やったよ、サインを頂けたよ!

 つい先日、先生の最新刊『カードマジック The Way of Thinking』(東京堂出版刊、2011年)が出版されました。この本、最近の先生の著作の中でもベストの1冊だと思っています。

 松田先生は「ラストフライトともいうべき気分で」と書かれていますが、とんでもない。偉大なる名人、“プロフェッサー”ダイ・ヴァ―ノンさんの名言“Effect is Everything”を地でいく、新鮮で老練、繊細で大胆な作品が24種類解説されています。先生好みの現象を追求するためには、どんなギミックカードでもサトルティーでも惜しげなく利用されます。

 この本の題名の通り、松田先生の思考の方向性がハッキリと見て取れます。これこそが、本書の肝です。松田先生一流の筆致により、ただの「改案への過程」だけでなく、素敵な読み物としても成立しています。その作品に対して、松田先生が長年蓄えられてきた膨大な知識と好みがいかに加えられているか、そしてそれにどれくらいの年月がかけられてきたことか。想像するだけで溜息がでます。

 「不可能なカード当て」や「カーライルのホーミングカード」に関する先生の考え方は必読だと思います。不可能なカード当ての福岡先生のアイデアは、誰にも教えたくない方法ですね。未読の方には是非にとおススメしたいです。



 この日先生が演じられた作品も、この最新著作の中に収録されている作品でした。私も目を付けて練習を始めたばかりの作品だったのです。まぁ、この作品の不思議なことと言ったら!
 是非、皆様もこの著作をゲットされて、何の作品か見つけ出してみてください。



 次に登場されたのは、FISMの審査員などで知られる瀬島順一郎さん。綺麗なコインマジックやパケットトリック、仕掛けのないデックで行う不思議なブレイン・ウェーブ・デックなどを鮮やかに演じられました。

 この日の目玉のお一人、Mr.Yukiさんが登場されました。Mr.Yukiさんは宝塚でMagic Bar Shadeを経営され、その腕前と凄さは佐藤総さんからずっと伺っていました。一言、本当に素晴らしかったです。Yukiさんの柔らかな物腰としなやかな指先から繰り出される超絶技巧の数々は眼福でした。Yukiさんの演技から滲み出るプロフェッショナリズムには痺れました。
 国内外でギャンブリング・デモをされる方は沢山拝見しましたが、間違いなくベストのお一人だと思います。佐藤さんがべた褒めするはずだよなぁ、とすぐに分かりました。この日、ご挨拶が出来ずに非常に残念でした。

 次回関西に出向く際は、Mr.Yikiさんと「噂の催眠術師」Birdieさんのお店に行こう!と心に決めました。

 そして、赤松洋一先生。言わずと知れたクリエイタ―であり名人です。イギリスの名人、ジョン・ラムジィによる「ジャーに入るコイン」をさらに不思議にしたコインの貫通、サイコロが1つ通る位の紙筒からいくつもサイコロを取り出したり(しかも、サイコロを出す前には必ず筒にボールペンを通して、その中に何もない事を証明されるのです!)、凄く単純化されて不思議な「シリンダー&コインズ」を演じられました。赤松タッチともいうべき、柔らかくて不思議な演技でした。

 凄腕コインマンとして世界的にも有名な六人部慶彦さんは、3枚のコインの隠見と岐阜の名手、沢浩さんの作品「Dollar is a dollar」を華麗に演じられました。六人部さんの軽妙なしゃべりも素晴らしく、客席からは溜息が洩れていました。

 これまたカードの名人、宮中桂煥さん。クラシックなカードマジック「Ladie’s Looking Glass」を見事に演じられました。いつも拝見するたびに惚れ惚れしてしまいます。宮中さんのカードの扱いが美しいのは当たり前で、本当にクールで格好良いんですよね…。宮中さんを拝見すると、体調を崩される前の名手、マイク・スキナー氏を彷彿とさせるなぁ、と気付きました。

 そして、根尾昌志さん。紙マッチがコインに変化して、そこからのマイザーズ・ミラクルとバートラムズ・ベストは素晴らしい美しさであり、凛々しい演技でした。根尾さんの作品をもっと間近に拝見する機会はないものなんでしょうか?なんと10年以上ぶりに公の場で演技をされたそうです。



 トリは今をときめく、佐藤総さん。4枚のエースの出現から始まる演技は素晴らしく、また佐藤さんのキャラクターとも相まって、会場は大いに盛り上がりました。
 やはり、山火事トライアンフはすごい迫力でしたね。初めてご覧になった方は、きっとビックリされたことと思います。



 本当にアッという間の3時間でした。この日のショウは、まさに松田先生の好みを集めた「夢のクロースアップ劇場」がそのまま具現化されていたんだなぁ、と気付いたのは会場を後にするエレベーターの中でした。



 ショウがはねた後、滝沢さん、Arsさん、Yuji村上さん、ジョニーさん、るいるいさんと再びお茶に。2時間半も皆さんとじっくり語り合ってしまいました。刺激的な話が次々に続き、30分くらい話していた感覚しかありません!

 その時、るいるいさんが演じられた「オイル&ウォーター」の手順は素晴らしかったです。おかげで「ジョーキャバのチャンネー」という言葉を覚えてしまいました! 何か知りたい方は、マジックバー「金沢Style」に行くしかない!

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色男六人衆(あ、私が撮影しています!)



 帰りの電車の中で、この日楽しんだ演技の数々を反芻していました。

 ここまで何故詳しい演目を書いたかというと、ご覧の通り、流行りのマジックが一つもないという事です。比較的新しいテーマを扱っていらっしゃる方もいらっしゃいましたが、それでも手順に厚みを感じたのです。これこそ芳醇な香りが漂う、本物のマジックのショウだったのです。これは上記でお話しした松田先生の最新著作にも通じるなぁ、と思いました。

 最近、流行のマジックに私はかなり食傷気味です。インターネットの発達で情報だけは爆発的に増えました。しかし、こうした新しい情報というのは、かなり「薄い」情報が多いように感じます(これは先日参加した“Magic Con 2” でも感じました)。ただ、新しい情報だけを追いかけても、この日出演された皆様に到底追いつく事は不可能です。いたずらに情報量を増やしても、芳醇な演技の香りというものは絶対に出てこないからです。

 そうした情報を自分の中に入れ、消化し、何が必要で何が必要ではないか分別し、さらにそれに自分の経験を加えて練り、初めて確固たる知識になります。「オリジナル」と称された「ただの思いつき」が席巻する新しい情報の中では中々見つける事はできなません。
 
 私が敬愛するアメリカの哲人、ユージン・バーガーさんが唱える「孤独」の必要性というのは、こうした情報を自分の身体と頭にしみ込ませるための時間を作るためなのではないでしょうか?(これについて、スクリプト・マヌーヴァ社から素晴らしいDVDが発売されました。心あるマジシャンは必見です)。時流に乗る事は大変楽です。しかし、それだけでは、確実に大切な何かを見失ってしまうでしょう。

“Keeping to the main road is easy. But people love to be sidetracked” - 老子



 若い世代のマジシャンの方には是非ともこうした会に参加して、勉強してもらえたら良いなぁ、と感じました。何が良いマジックで、何が良くないマジックか、是非その違いを知って頂きたい。YouTubeからは「人の熱」は伝わりませんから。最終的にマジックは「何を演じるか?」ではなく、「誰が演じるか?」なのですから。

 Tonおのさかさんも「こうした会をもっとやってくださいよ!」と仰っていましたので、きっと福岡先生もいろいろお考えいただけることと思います。また、素敵な会が開催される事を心から待っています。



5月20日追記:ごめんなさい!福岡先生と六人部さんのお名前を訂正させて頂きました!Yuji村上さん、Many Thanks!
10月18日追記:ごめんなさい!Mr.Yukiさんのお店、神戸ではなく宝塚にあります。訂正させて頂きました。ご指摘いただきました横山さま、ありがとうございました。
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Author:yuki_the_bookworm (a.k.a "べたねば")
何げない日常の中の、本と料理とマジック。

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